バーティミアス (1) サマルカンドの秘宝 の感想

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参照データ

タイトルバーティミアス (1) サマルカンドの秘宝
発売日販売日未定
製作者ジョナサン・ストラウド
販売元理論社
JANコード9784652077351
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

「ハリー・ポッターの対抗馬がついに!」との謳い文句に期待して購入。魔術、主人公の不遇の少年時代、周りからの巧妙な罠と策略…被る部分はあれど、600ページは苦にならずサクサク読み進められます。

主人公が召喚した悪魔(バーティミアス)の言動がいちいち面白く、主人公との掛け合いがコントのようで最後まで飽きない。章が変わる度に、主人公目線とバーティミアス目線が交互に書かれているので非常に分かりやすく、バーティミアス目線の文章は語り口調で引き込まれます。

主人公は生意気で、エリート意識が強く、自分の力に驕りを持ち、プライドの高いクソガキでイラつきましたが、それを崩されていく過程はスッキリではなく、哀れで可哀想に思えてくる。バーティミアスのようなパートナー(と呼んで良いかは分からないけど)がいてくれて良かったな、と思いました。

バーティミアス目線の文章では、随所に細々した設定が書き込まれていて、※印の度にページ下方に目を落とさなくてはいけないので、ちょっと面倒くさかった…。

全体的にはかなり面白い本だと満足しているけど、何度も何度も読み返したくなるほどではなかったので、☆は4つで。

長編ファンタジーは、「古めかしい」世界、あるいは異界から始まるイメージがあるが、これは見事に(本当はこれも異界だけれど)、現代社会の中で展開される。訳者が「ハリポタ対抗馬」とちょっと筆を滑らせてしまったこともあって、そういう比較で書かれる批判が多いけれど、これ独自の世界からがあり、またこの作家の並々ならぬ手腕を感じる作品だと思う。だいた、長編ファンタジーは「正義」とか、一神教的世界とか、そういうものを縦軸にして、主人公の「成長」による、異界からの帰還みたいな「臭さ」があるものが多いけれど、これはそうではない。いやあ、やりましたねえという感じだ。
もう一つ、これのおもしろいところは、第二巻などは特にそうなるけれど、ドタバタ的な面白さがかなりあるところだ。これも、バーテミアスのひねくれた感じ、皮肉な感じともども、「生真面目な」ファンタジー愛好者には好まれないのかもしれない。

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