欧州複合危機 - 苦悶するEU、揺れる世界 (中公新書) の感想

ヒト、金、モノが国境を越えて自由に移動できる理想的な欧州共和国を目指して発足したEUが現在深刻な矛盾に当面している。国内の貧富の格差、深刻な地域間格差、移民の大量受け入れ、統一通貨ユーロ導入による国別財政政策の不在、国家主権と欧州議会の対立などである。
英国のＥＵ離脱、米国次期大統領に選出されたトランプ氏への不安などの問題もあり、今後の欧州問題を考える上でたくさんのヒントを与えてくれる本である。ただし、軽く読み飛ばせるほど易しくはない。