岸信介証言録 (中公文庫) の感想

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タイトル岸信介証言録 (中公文庫)
発売日2014-11-21
販売元中央公論新社
JANコード9784122060418
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

「俺」「僕」「私」、特に「俺」を使う部分のセリフが面白い。
仇敵のはずの日本共産党を「宮本顕治君」「野坂君」と、親しみを込めて語っているのもびっくり。
岸の人生の師である吉田松陰や高杉新作は「僕らのアイドル」だったが、
野坂参三は「俺たちこそが、革命家吉田松陰の末裔であり、岸は俗論党だ」と言い張り、
岸は「俺たちこそが吉田松蔭先生の直系だ」と、アイドルの引っ張り合いをしているのが微笑ましいです。
吉田茂のことを「吉田さん」、「あの岸信介にではなく、総理大臣としての岸に俺は礼を尽くしているんだ」
という吉田さんの態度に、尊敬の念を払っているのがよく分かります。
安保改定、特に尖閣を防衛するキーとなった5条を作る時は、毎週のように
吉田さんの住む大磯に出向いて、相談に伺ったそうです。
その吉田さんも、自衛隊、防衛大学校の父ですし、
安保、防衛問題では、吉田さんと岸は同志だったのでしょうね。
編者は、あとがきで「冷戦後の安保5条は、軽減されたと見てよい」と2003年に評しましたが、
2014年の今、【安保5条は対中国の、尖閣防衛の決定打】となったのが皮肉です。岸の慧眼恐るべしです。
巣鴨の3年間を「自分を省みて、心を鎮めて考える時間を与えてくれた。自由というものに対する
本当に強い信念的なものを作り上げてくれたのは、あの監獄生活だ」と
極めてポジティブな考え方をしているのも印象的です。
電車の中で読むのはちょっと危険な、フランクな老人の回顧録です。

 岸信介の生前のロングインタビューにより構成された戦前戦後史でありながら、岸信介という人間がいかに生まれ、いかに行動したかわかる本です。
 岸は、とても素直にインタビューに応じ、自らの生涯を告白しており、また、編者が岸信介研究の第一人者ということもあって、非常に有益な本に仕上がっています。
 岸だけでなく、戦後政治、また、政治のあり方について知るためには必読の書といってよいでしょう。
 この本には、岸の生い立ちから、政治思想、岸の政治闘争方法、そして、巣鴨プリズンでのこと、政敵や田中角栄論、総理総裁論など多様なトピックに及んでいます。
 また、岸のコンプレックスにも及んでおり、岸自身、自らの体が強くないことに対して、コンプレックスを持っていたことがわかります。
 岸は、総理としての資質として、見識、総裁としての資質を面倒見の良さをあげています。

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