掃除道 (PHP文庫) の感想

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本を買う前から知っていたので、今トイレの掃除は当たり前になりました。
ただ何か変化があったかという分かりません。トイレがキレイなのは気持ちいいです。

著者は「イエローハット」の創業者。一代にして500店に及ぶ巨大カー用品チェーンを
築き上げた経営手腕とはいかなるものかと思いきや、「掃除をしてきただけ」と語る。
著者が掃除にこだわるきっかけを与えられたのは両親からとのこと。掃除こそが人と
しての基本であることを早くに知ることができたのは幸運だと思う。本書では鍵山氏の
略歴や掃除の方法なども扱われているが、氏の姿勢に共感する有志によって平成五
年に発足した「日本を美しくする会」の活動が実現してきたことの実例を数多く挙げる。
その実例を「企業経営編」「学校教育編」「地域社会編」の三部に分けて紹介している。
著者の著書に接して掃除を始めて、どのように変わったかは実に驚くべきものがある。

特に「学校教育編」がもっとも興味深い。入学した生徒の半分が退学するような荒廃
しきった高校が始めたトイレ掃除で子供たちが変わっていく。「地域社会編」では暴走
族の子たちと警察官が共にトイレを磨く。暴走族少年たちは海外でも外国の信じ難い
ほど汚いトイレをピカピカにして帰ってくるようになるのだ。掃除の人間を変える力には
まったく驚かされる。だが驚くことではないのかも知れない。掃除に学ぶことはあまり
にも多いのに、まったく軽視されているのだから。その意味を知るには実践しかない。