[新訳]孫子―ポスト冷戦時代を勝ち抜く13篇の古典兵法 の感想
参照データ
タイトル | [新訳]孫子―ポスト冷戦時代を勝ち抜く13篇の古典兵法 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 兵頭 二十八 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569698007 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 古典 » 中国の古典 |
購入者の感想
本書の執筆者は、他の「孫子本」と異なり、この書物が「忠誠心やプロ意識のない素人集団をどうやって死ぬ気で戦うように仕向けるか」という本書を必要とした人々(当時の列強の諸侯)のニーズに応える為作成した」ということを喝破した上で説明を進める。つまり、執筆者は、「孫子」を題材にして「シナ人」なるものがいかなる行動原理を持ち、いかに思考するのかと言うことを解説することを試みている。このため、孫子を「古典」を読みたい方には必ずしも適当とはいえない。しかし、近年経済成長をバックに政治的・軍事的拡張を続けている中華人民共和国(と同国を支配する中国共産党:中共)の行動原理について知見を得たい方には、大変刺激的な一冊と言える。個人的には、上記コンセプトに基づく中国解説本がほとんどない(自分は、中公新書の「現代中国学(加地伸行著)」くらいしか思いつかない)現状では、本書は「中国を理解するための『必読書』の筆頭格」と認識しており、部下同僚には「中国理解の名著」として勧めている。