月に吠えらんねえ(2) (アフタヌーンコミックス) の感想

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参照データ

タイトル月に吠えらんねえ(2) (アフタヌーンコミックス)
発売日2014-11-21
製作者清家雪子
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

個人的な2014年「このマンガがすごい」のダントツトップの作品です。近代詩(歌句)への愛と狂気を、現代社会に引きつけながら、マンガ的な文法で吐き出していく立派な作品です。あたかも中央銀行が貨幣をするかのように各人が言葉を発することができる環境が整った現代社会(そして当然ながらにおこる言葉価値のインフレーション=下落)において、100年ほど前かそこらで、この国が近代世界に適応して追い越そうとしてもんどりうった時代に、その言葉を選び吐き出すことに命を掛けていた人たちがいたことを、そしてのその彼彼女らの作品の価値(そして罪)を、現代の文脈で位置づけ取り戻そうとする試みになるのではないかと思います。

この巻は、白さんとチューヤくんの詩世界の造詣が対照的ですばらしかったです。遊郭の話も合わせると、この間はモチーフとしての女性について、白さん、ミッチー、コタローくん、ミヨシくん、チューヤくんといった作家の色々な異なる視点が伺えるようで面白かったです。完全に余談ですが、岩波書店は思い切ってタイアップして、岩波文庫の各作家の作品をもう一度フィーチャーするような企画をしたらいいんじゃないかと思います。とりあえず、我が家はこの作品のおかげで各種原作品にあたるために、10冊以上の詩集・随筆集を買いましたよ。笑

BLっぽいとかいう理由でこのマンガを遠ざけている人がいたら本当にもったいないと思います(Amazonで関連されている本がどうしてもそっち系が多いようなので)。所謂露骨なBLっぽい表現はありません、あくまで作品間の絡みとして類似するような表現がたまにあるかもですが、比較するなればそれよりも男女間の絡みの方(主に白さんによって)が圧倒的に多いかと思います。

(もし見ていたら)月刊アフタヌーン編集部の方、3巻以降はもっと政治的に過激な表現が出てくる(連載によれば)と思いますが、どうか自由に最後まで清家先生に書かせてあげる環境を作ってあげてください。どうぞよろしくお願いします。

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