二重らせん (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトル二重らせん (講談社文庫)
発売日販売日未定
製作者ジェームス・D・ワトソン
販売元講談社
JANコード9784061837157
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » その他

購入者の感想

 1962年のノーベル生理学・医学賞受賞者ジェームズ・ワトソンによる、DNAの二重らせん構造解明までの体験記。
 2004年7月にワトソンの同僚フランシス・クリックが、がんのため逝去した。ワトソンは「フランシスの素晴らしい知性と優しさは忘れられない。ケンブリッジの小さな研究室でともに2年を過ごせたのは本当に名誉なことだ」と追悼した(毎日新聞より)。その2年間の出来事がこの本には詰まっているわけだ。
「『二重らせん』は、科学者のノーベル賞獲得への欲望が剥き出しに表現されている」という前情報を知ったうえで読んだ。そうした話が出てくることを覚悟していたからか、それほどイヤミを感じずさらっと読めた。むしろ「フランシスはまた大失敗をしでかした」というふうに、素直なまでにそのときのワトソンの心情が書かれていて、気持ちいいくらいだった。
 用意周到にも、ワトソンはノーベル賞級の研究成果を上げたらこうした本を上梓することをあらかじめもくろみ、日々の記録をとっていたのだそうだ。だからではないだろうが、本に出てくる関係者はフィクションの登場人物よろしく、それぞれのポジションが揃っている。仲よさげな妹のエリザベス。同僚で口数の多いフランシス・クリック。研究所に重鎮として居座るローレンス・ブラッグ卿。後にワトソン、クリックとともにノーベル賞を受賞するモーリス・ウィルキンス。アメリカにいる研究競争相手のライナス・ポーリングなどなど。しかもポーリングの息子ピーターがワトソンたちの本拠地に留学していて、ワトソンらが、ピーターから父ポーリングの研究進捗状況を掴み出すといった生々しいエピソードも書かれている。

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