コア・テキスト経済史 (ライブラリ経済学コア・テキスト&最先端) の感想

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参照データ

タイトルコア・テキスト経済史 (ライブラリ経済学コア・テキスト&最先端)
発売日販売日未定
製作者岡崎 哲二
販売元新世社
JANコード9784883840939
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済史

購入者の感想

経済史で議論となる様々なトピックを扱っている本である。入門書ではない。
歴史の流れに沿って市場経済の形成や産業革命の起こりを説明しようという本でもなければ、J・R・ヒックスの「経済史の理論」やダグラス・ノースの「経済史の構造と変化」のように経済史を分析するための理論的枠組を提供しようという本でもない。

個々の章で扱われているトピックの説明は充実していて、読んでいてわくわくさせられる。
しかし、読み終わった後、全体のトータルイメージが浮かばず少し散漫な印象を受ける。そして何日かすると、この本に何が書いてあったのか忘れてしまう。

経済理論の検証の場としての経済史、経済成長、経済史に関する様々な視点、制度と経済発展の関係、市場経済、生産組織、奴隷制、金融取引・・・やはりトピックが総花的すぎるのではないかと思う。
他のレビュアーの方の評価は高いのだが、あえて星一つ減
(敬称略)

研究レベル・蓄積・ネットワークなど、あらゆる側面から現在国内の日本経済史学会の実質的な「皇帝」であると言える岡崎先生の簡潔な経済史の入門テキスト。05年初版をですが、ふとしたきっかけで再度読み直してみた所、200ページ足らずのコンパクトさで盛り込まれた内容の豊富さに改めて驚愕しました。

内容的には、マルクス経済学的歴史学を中心に蓄積されて来た国内の(古い)経済史研究の伝統からは明らかに距離を置いた(80年代以降の)「新しい」経済史の分析用具・テーマが網羅的に取り上げられています。
第1章から「実験室としての歴史」という節が設けられており、経済学理論の「自然実験」としての経済史像が協調され、制度分析の重要な概念である歴史的経路依存性(path dependence)について、マルク・ブロックの示した北フランスの耕地の所有形態・有名なQWERTY配列の議論を引き合いに説明が与えられます。第2章では、経済成長論ではおなじみの成長会計が解説されています。第3章は、マルクス・ウェーバー(及び関連する宗教と経済成長の実証分析例)・ガーシェンクロンの歴史理論が紹介された上、新しい制度学派の創設者とも言えるD.ノースに始まる制度と経済発展の関係について解説されます。第4章では市場経済史の概観が与えらえた上、A.グライフによる有名なマグリビ商人の多角的懲罰システム、岡崎先生自身がグライフ理論に触発されたと思われる日本の株仲間の制度的分析が議論されます。5〜7章では、経済史の制度分析上重要テーマになる生産組織(工場制・企業組織、奴隷制・地主制・問屋制)、金融システムについて、様々な研究事例を交えて解説されます。

「制度と組織の研究史」という視点の経済史の教科書なので、
ヨーロッパの歴史を事細かに記述して、ラッダイト運動がどうだとか、そういう話をする内容ではなかった。
170ページ程度と、かなりコンパクトにまとまっているが、内容は非常に面白く、簡潔にまとまっている。
普通経済史というと、「数学が出来ないけど経済学に関わっていたい」文系人間のための分野という感じだけど、
本書では経済成長モデルが出てきたり、至る所で統計学的な分析が出てきたりするので、面食らうかも。

はじめて読んだ経済史の本だったので、オーソドックスなものとの比較が出来ないのが残念。

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