モードとエロスと資本 (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトルモードとエロスと資本 (集英社新書)
発売日販売日未定
製作者中野 香織
販売元集英社
JANコード9784087205435
カテゴリ » ジャンル別 » アート・建築・デザイン » モード

購入者の感想

「ファッション史から見るゼロ年代」
と著者は序章で述べているが、こんなことがあったんだ、とファッションに疎い人間は参考になることもあるし、詳しい人なら懐かしい気分にも浸れる。ケータイでの連載をまとめたものなので、1センテンスが短くちょっと読み応えがないが、色々な事象が紹介されていて勉強になる一冊。
(ただ、このタイトルならもっと深い考察があってもいい気もする)

 全体を俯瞰するような思想はあまり述べられていないが、個人的にはファッション(モード)の勢いや社会的な立場が、下がっていった10年間だったのかな、と思った。

「ファッションから服を取り戻そう」
といったことを言っていたのはヨウジヤマモトだが、服が服でしかなくなったということか。ロリータファッションが流行ろうが、「エロい」、「カワイイ」、あるいは男性の細身の服が流行ろうが、時代の最先端を行く人たちが着るというより、ポストモダンのタコツボ化的な現象で、一部の人の趣味・嗜好でしかない、と。もはやそこに「時代」を見ることはできないんじゃないか。
 
 ファッション(着こなし)というのは、記号と記号の組み合わせで「意味」を作り上げていくもの、とどこかで読んだが、内側よりも、表層へのこだわりだけが進んだ10年だったのだろうか。そして一般の人はユニクロで満足。デパートの売上はガタ落ち、と。

「有閑階級の理論」「キャリア・ウーマンの服飾学」「恋愛と贅沢と資本主義」「セックスレス亡国論」「ラブシーンの言葉」「人が人を殺すとき」「世界カワイイ革命」「エルメスの道」「女装する女」「日本洋装史」「ショッキング・ピンクを生んだ女」などの参考文献は、時間があれば読みたいと思った。

 参考文献には入っていないが、「女になりたがる男たち」エリック・ゼムールはお勧めです。

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