ジロンド派の興亡 小説フランス革命 10 (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトルジロンド派の興亡 小説フランス革命 10 (集英社文庫)
発売日2014-09-19
製作者佐藤 賢一
販売元集英社
JANコード9784087452266
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

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先ずは、帯でのあらすじ紹介から。
>1792年。憲法が制定され立法議会も開かれたフランスだったが、さらなる凶作と物価の高騰に民衆はいまだ飢え、苦しんでいた。
>そんな中、失墜した王家の威信を取り戻したいルイ16世は、国民の不満を国外に向けるため他国との戦争を望むジロンド派の面々を起用し、開戦内閣を組織する。
>反戦を主張するロベスピエールの抵抗もむなしく、フランスはついに戦争を開始し・・・
高校の世界史だと、ジロンドvsフイヤンvsジャコバンの三つ巴の政争は一行で済まされて、本巻登場の多くの面々は名前も出てこない。もっぱら、対外戦争開始が、次巻で描かれるフランス革命のターニングポイント=国民兵の勝利と国王一家幽閉の前座として紹介されるだけだ。

ここで、著者は、新たな主役の一人としてロラン夫人を登場させる。サロンを主宰して、夫の属するジロンド派を盛り立てる若干の才気と喋りと山ほどの野心と欲望を抱く彼女に踊らされるというジロンド派の面々の小物ぶりが笑える。
そして、そんなジロンド派の策謀の矛先が向けられたのが、ルイ16世。前半戦で次第に主役の一人として見事なキャラ立ちをしてきたルイは、本巻でも期待に違わぬ役者ぶりをみせる。間違ってはいけないが、彼は無能だ。無知や無学ではないが、為政者の器ではない。そんな彼が勘違いしていくさまが本巻の味わいどころ。ラストのクライマックスでの「ドヤ顔」としかいいようのない悦にいった役者っぷりは実に楽しめる・

それと、マジなところでは、ロラン夫人の独白の中で、フランス革命という舞台に必死で這い上がろうとした女性達のくだりがあるが、ここは21世紀の作品ならではだろう。フランス革命の女性は、マリーアントワネットとオスカルだけじゃないってこと。

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