ウィーン楽友協会 二〇〇年の輝き (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトルウィーン楽友協会 二〇〇年の輝き (集英社新書)
発売日2013-12-17
製作者オットー・ビーバ
販売元集英社
JANコード9784087207187
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » クラシック音楽

購入者の感想

ウィーンの人々が200年の間どれだけ音楽文化を守ろうと苦労してきた
のかがよくわかる貴重な本だと思いました。
ニューイヤーコンサートなどで私たちは、ウィーンフィルと楽友協会を
セットで見がちですが、実はそうではないことがよく理解できました。
楽友協会音楽院が楽器奏者にも声楽を必修科目にしていたのが面白い。

1812年に誕生して現在まで続いているウィーン楽友協会について紹介した本。著者2人は、ウィーン楽友協会資料館館長と副館長。内容としては、ウィーン楽友協会とその歴史、楽友協会と演奏会、楽友協会音楽院、ウィーン楽友協会資料館についての4本柱となっている。

文章自体はそれほど詳しいものではないのだが、そもそもの成り立ちや、ウィーンフィルとの関係、2つの大戦をはさんだ激動の時代、クラシック音楽の歴史上の有名人たちが刻んできたエピソードが普通に出てくる。ブルックナーはオルガンを弾き始めると指揮者や合唱やソリストとの共演も忘れて没頭して問題を起こしたり、マーラーは天才ぶりをかわれて無試験で音楽院に入学して途中で退学してすぐ取り消したり専攻を変えたりいろいろな特例が認められた生徒だったとか、ちょっと面白いエピソードも紹介されている。

新書にしては少しお高めの設定だが、その分カラー印刷の資料が適時掲載されており、よく利用されるこの肖像画はここにあったのか、というような発見がある。赤い服を着たモーツァルトの肖像画は、それまでのものが似ていないと不評で死後に描かれたものだというのはここで初めて知った。また、昔のコンサートはプログラムも時間もかなり違っていて、資料の中にはホールの中に飲酒用のテーブルが置かれていたり、ちょっと今のコンサートの常識では考えられないことが行われることもあったことがわかる。それから、避暑地で美人ピアニスト肩を抱いてニコニコしているブラームスの写真は、かたぶつだと思われているこの作曲家の意外な一面を示しているように思う。

大ホールは特に有名だが、2004年に会館とその前の広場の地下に練習用や様々なイベント用に4つのホールが作られたという。「ガラスのホール」とよばれるそのうち一つの写真が載っている。楽器コレクションにも、ちょっと現代ではお目にかかれない珍しいものがいくつかある。

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