中国の歴史認識はどう作られたのか の感想
参照データ
タイトル | 中国の歴史認識はどう作られたのか |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ワン ジョン |
販売元 | 東洋経済新報社 |
JANコード | 9784492212165 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
この本が興味深いのは、中国人自身が、今の中国人の内面を作り上げた様々な要素を分析し、時の権力者の都合で選ばれた歴史的神話とトラウマが創り出した強力なコンプレックスの正体と、それらが中国の内面を大きく蝕んでいることを明らかにしているところである。
著者は「政権政党たる共産党の支配の正当性は、歪曲された[歴史的貢献]の上にうちたてられてきた。そのうえ、ねじ曲げられた物語は人々の歴史意識にしっかり浸透している」と述べる。そして共産党首脳部が、国内的にも歴史的記憶をツールとして適宜活用し、共産党支配の正当性の回復と支持を図ってきたことにも言及している。このような構造により、共産党は中国を支配してきたとすれば。この歪んだ歴史認識から脱却するのは容易ではなさそうだ。
中国人が中国の将来を案じて書いているので、日本人が読むと違和感を持たないではいられない部分もある。でもこうした研究が中国人の中から出てきたのは、中国の将来を考える上でも良いことであるとも思う。
著者は「政権政党たる共産党の支配の正当性は、歪曲された[歴史的貢献]の上にうちたてられてきた。そのうえ、ねじ曲げられた物語は人々の歴史意識にしっかり浸透している」と述べる。そして共産党首脳部が、国内的にも歴史的記憶をツールとして適宜活用し、共産党支配の正当性の回復と支持を図ってきたことにも言及している。このような構造により、共産党は中国を支配してきたとすれば。この歪んだ歴史認識から脱却するのは容易ではなさそうだ。
中国人が中国の将来を案じて書いているので、日本人が読むと違和感を持たないではいられない部分もある。でもこうした研究が中国人の中から出てきたのは、中国の将来を考える上でも良いことであるとも思う。