「無知」の技法 Not Knowing の感想
参照データ
タイトル | 「無知」の技法 Not Knowing |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | スティーブン デスーザ |
販売元 | 日本実業出版社 |
JANコード | 9784534053299 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » ビジネス・経済 » オペレーションズ |
購入者の感想
原題は「NOT KNOWING」、副題は”The art of turning uncertainty into opportunity”ということで、「未知なるもの、不確実なものを機会に変える術」とでも云うところであろうか。「知る」或いは「知っている」ということがどういうことかということを整理した上で、「知らないこと」にどう向き合うのか、という哲学的な示唆に富む内容で、一読の価値がある。
本来、人間は物事を理解すればするほど、分かり易く説明が出来る筈であるが、実際には人間は知れば知るほど、「知らない状態」に対する理解が希薄になりがちであり、それが様々なバイアスとなり、選択肢を狭めることとなる。
或いは「知っているべき」という周囲からの圧力が、「知ったかぶり」や謙虚で素直な探究心を失うなどのマイナス面をもたらすこともある。
「知とは球体であり、大きくなればなるほど、未知との接線も伸びる」というパスカルの言葉は、「知らないことを知っていると思い込んでいる人よりも、知らないことを知らないと自覚している自分の方が賢い」というソクラテスと同様に意味深長である。
「知っている」ことが「有」で、「知らない」が「無」ではなく、余白のような「空間」があるのだ、という表現が、恐らく本書のエッセンスを象徴する。「知らない」ことをどのように位置づけ、どのようにそれに向き合い、活かしていくのか、という点で様々な示唆が得られる一冊である。
本来、人間は物事を理解すればするほど、分かり易く説明が出来る筈であるが、実際には人間は知れば知るほど、「知らない状態」に対する理解が希薄になりがちであり、それが様々なバイアスとなり、選択肢を狭めることとなる。
或いは「知っているべき」という周囲からの圧力が、「知ったかぶり」や謙虚で素直な探究心を失うなどのマイナス面をもたらすこともある。
「知とは球体であり、大きくなればなるほど、未知との接線も伸びる」というパスカルの言葉は、「知らないことを知っていると思い込んでいる人よりも、知らないことを知らないと自覚している自分の方が賢い」というソクラテスと同様に意味深長である。
「知っている」ことが「有」で、「知らない」が「無」ではなく、余白のような「空間」があるのだ、という表現が、恐らく本書のエッセンスを象徴する。「知らない」ことをどのように位置づけ、どのようにそれに向き合い、活かしていくのか、という点で様々な示唆が得られる一冊である。