くいいじ 上巻 の感想
参照データ
タイトル | くいいじ 上巻 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 安野 モヨコ |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784163708706 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者 |
購入者の感想
当代随一の人気マンガ家、安野モヨコですが
実際エッセイストとしてのセンスも相当なものだなあと、
ファッションエッセイの「美人画報」時代から思っていた。
女性にも関わらず、時に自虐も辞さない冷静な観察力と、
それを読む人がイメージできるように言語化する力を持っている人。
とてもマンガ家のサイドワークのレベルではありません。
自分が描きたいものよりも読者が読みたいものは何か、を追求し、
題材からセリフひとつにも吟味を重ねるという
本人の職人気質によるところが大きいのでしょう。
本作で言えば、たとえば玄関前でムカデを発見し、そこから
かくかくした脚を持つ節足動物→エビに似ているような気がする・・・
と連想を広げるくだりなどは、絵描きらしくエビの美しさを
色・形・全体のバランスにわたって描写しながら
ムカデにすらちらっと食欲を感じる自分へのツッコミまで一気に読ませるし、
一方、夜の高速道路に浮かぶあの光を、端から順に
銀のピンでちゅんちゅんと刺して食べてみたい、
きっと冷たい、香気あふれる味だと思う、なんていう
少女マンガ家らしいロマンティックな描写もあったりする。
イメージ豊かで、食べ物を前にしたモヨコさんの
心の動きまでも伝わってくる文章の数々なのです。
もちろん、普通のものも食べています。たまに食べられなかったもの、
まだ食べていないものも出てくるのがほほえましい。
また、さらっとペン画で描かれた食材の絵がとてもおいしそう。
一生に食べられる食事の量には限りがあるのだから、
少しでもおいしいものを、毎回満足して食べたい!という
食いしん坊らしさ満載、気持ちのよいごはんエッセイです。
エッセイが初めての方にも、安心しておすすめできる上下巻だと思います。
実際エッセイストとしてのセンスも相当なものだなあと、
ファッションエッセイの「美人画報」時代から思っていた。
女性にも関わらず、時に自虐も辞さない冷静な観察力と、
それを読む人がイメージできるように言語化する力を持っている人。
とてもマンガ家のサイドワークのレベルではありません。
自分が描きたいものよりも読者が読みたいものは何か、を追求し、
題材からセリフひとつにも吟味を重ねるという
本人の職人気質によるところが大きいのでしょう。
本作で言えば、たとえば玄関前でムカデを発見し、そこから
かくかくした脚を持つ節足動物→エビに似ているような気がする・・・
と連想を広げるくだりなどは、絵描きらしくエビの美しさを
色・形・全体のバランスにわたって描写しながら
ムカデにすらちらっと食欲を感じる自分へのツッコミまで一気に読ませるし、
一方、夜の高速道路に浮かぶあの光を、端から順に
銀のピンでちゅんちゅんと刺して食べてみたい、
きっと冷たい、香気あふれる味だと思う、なんていう
少女マンガ家らしいロマンティックな描写もあったりする。
イメージ豊かで、食べ物を前にしたモヨコさんの
心の動きまでも伝わってくる文章の数々なのです。
もちろん、普通のものも食べています。たまに食べられなかったもの、
まだ食べていないものも出てくるのがほほえましい。
また、さらっとペン画で描かれた食材の絵がとてもおいしそう。
一生に食べられる食事の量には限りがあるのだから、
少しでもおいしいものを、毎回満足して食べたい!という
食いしん坊らしさ満載、気持ちのよいごはんエッセイです。
エッセイが初めての方にも、安心しておすすめできる上下巻だと思います。