戦略的インテリジェンス入門 の感想
参照データ
タイトル | 戦略的インテリジェンス入門 |
発売日 | 2016-01-05 |
製作者 | 上田 篤盛 |
販売元 | 並木書房 |
JANコード | 9784890633364 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 社会・政治 » 外交・国際関係 |
購入者の感想
筆者は長年自衛隊において戦略情報の分析に携わっていたということで、この本はその自身が触れ、用いてきた技法を紹介する一種の教科書です。
一般的に「インテリジェンス」に関する本はインテリジェンスを担当する組織について(その組織が何をどう分析した結果、どのような意思決定に繋がったのか等)や、そうしたインテリジェンスの技法をビジネス等に応用するにはといったもの、あるいはインテリジェンスを学問の対象として取り扱うものが大半であると思います。
一方、この本はそれらと違い、戦略情報で用いられる技法は何で、どのように使うのかといった、まさに戦略情報の現場における指南書といった点で画期的であるといえます。現在、世界の情報機関の教育資料がインターネット上で公開される場合がありますが、どちらかと言えばそういった、ある業界の特定の技法に関する専門書といえるでしょう。
そのため、この本は読んで理解しただけで十分に意味を果たす本ではなく、そこで紹介された技法を実際に使用することで体得することが読者に求められるのだと思います。一般化され、学問として洗練されたようなアカデミックさはなく、類推により自分の専門分野に新たな知見をそのまま流し込めるようなビジネス本でもありませんでした。
また、いわゆる「自衛隊はこんなことをしている」といった暴露本でもありません。自身が用いてきた技法を紹介しつつ、職務上知り得た情報を開示しないという筆者のプロ意識が感じられました。(おそらく本の売上げ的にはそういう鼻薬があった方が良いのでしょうが)
読み物としてのきらびやかさはありませんが、職人のいぶし銀のような本です。本物を用いる必要がある人が読み実践すべき本といえるでしょう。
決して万人受けする内容ではないので、☆1つ減で☆4つとします。(個人的には☆5つオーバーです。)
一般的に「インテリジェンス」に関する本はインテリジェンスを担当する組織について(その組織が何をどう分析した結果、どのような意思決定に繋がったのか等)や、そうしたインテリジェンスの技法をビジネス等に応用するにはといったもの、あるいはインテリジェンスを学問の対象として取り扱うものが大半であると思います。
一方、この本はそれらと違い、戦略情報で用いられる技法は何で、どのように使うのかといった、まさに戦略情報の現場における指南書といった点で画期的であるといえます。現在、世界の情報機関の教育資料がインターネット上で公開される場合がありますが、どちらかと言えばそういった、ある業界の特定の技法に関する専門書といえるでしょう。
そのため、この本は読んで理解しただけで十分に意味を果たす本ではなく、そこで紹介された技法を実際に使用することで体得することが読者に求められるのだと思います。一般化され、学問として洗練されたようなアカデミックさはなく、類推により自分の専門分野に新たな知見をそのまま流し込めるようなビジネス本でもありませんでした。
また、いわゆる「自衛隊はこんなことをしている」といった暴露本でもありません。自身が用いてきた技法を紹介しつつ、職務上知り得た情報を開示しないという筆者のプロ意識が感じられました。(おそらく本の売上げ的にはそういう鼻薬があった方が良いのでしょうが)
読み物としてのきらびやかさはありませんが、職人のいぶし銀のような本です。本物を用いる必要がある人が読み実践すべき本といえるでしょう。
決して万人受けする内容ではないので、☆1つ減で☆4つとします。(個人的には☆5つオーバーです。)