カラー図解で一番やさしい！ 電気のことがわかる事典 の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

　基礎的な知識について非常に分かりやすく書いてあるのですが、いくつか問題点があります。

36頁: 回路図の図記号が電球を除き古いままになっていて新旧混在しています。
44頁: 交流の変化の波形が正弦波になることを説明していません。基本的なことだし他の詳細な説明とアンバランスです。
54頁: 直流モーターについては説明していますが、交流モーターの説明がありません。また直流モーターは整流子が摩耗するので交換が必要だが、交流モーターには摩耗部品がないので保守が簡単という説明がありません。「頑丈」だけでは曖昧です。
72頁: 発電機の仕組みで直流発電機を使っています。実際の発電所では交流発電ですからその説明が必要です。この記述では誤解を与えることがあります。
95頁: 「電力の公式」ですが、これは直流に当てはまる式であり交流の場合力率を掛けますから、いくらなんでもこの式しかないのは乱暴です。交流電気は使用する電気機器の影響で電圧と電流の変化の波形がずれ、したがって力率を掛けて電力（W）を計算すると言う説明がありません。単純に電圧×電流は交流では皮相電力（単位はVA）、力率をかけた実際の電力は有効電力（単位はW）と言う説明も必要でしょう。実際に電気製品には皮相電力で表示されている機器もあるわけですから。
222頁: 発光ダイオードとフォトダイオードの新図記号の基本図記号が、IEC 60617「電気用図記号」において2013年12月17日から変更になっています。

　追記です。