だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ の感想

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タイトルだれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ
発売日販売日未定
製作者都築 響一
販売元晶文社
JANコード9784794967237
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 書店・古書店

購入者の感想

時代錯誤であっても、ダサくても、儲からないのがわかっていても、どうしても書きたい・撮りたい作者がいて、これを出版しなければいけないと思う版元がいて、それを買わなきゃならないと思った都築が紹介する、世にも幸福な書評集。
この本は著者が注目した地方の書店、雑誌・新聞に連載した書評によって成るが、巻末、朝日新聞の書評を降りる経緯を語った章は朝日の編集部とのケンカの記録だが、著者の本と本バカたちへの思いが溢れていて、感動的である。

都築響一は、現代の宮本常一だ。「リアル」を求めてあらゆる場所を旅する。
全国各地だけではなく、世界中、書籍の中にも偏在するリアルを求めて旅をする。
音楽評論家が日本語は果たしてロックに合うのかと議論している間にも、街には流行歌が流れ、教育崩壊を識者が叫ぶが、彼らが知らないヤンキーの「リアル」が、「ティーンズロード」の誌面にはある。
ビジネス誌で紹介される必読書を読んでスキルアップする大人になんかならなくていい、オシャレ雑誌で紹介されるデザインや旅やマナーの本を読まなくてもいい。誰にも評価されなくても本当に読みたいものだけを読む、時代の空気など読まずに本を読む本バカの大人になろうと思える、勇気の出る一冊。

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