人間小唄 (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトル人間小唄 (講談社文庫)
発売日2014-01-15
製作者町田 康
販売元講談社
JANコード9784062777421
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » ま行の著者

購入者の感想

芥川賞作品である『きれぎれ』にみせるような凝った悪文は、現在では簡略化されているというか、熱を感じなくなった。
個人的な感想をいえば、『きれぎれ』では熱がありすぎて、少々私にはこってりしすぎたものの、その後ファンからは名作と謳われた『告白』では、やはり見事なバランスであった。
この『人間小唄』だが、やや尻すぼみの感は否めない。
凝った文体を練り上げる作業が億劫にでもなってしまったのではないかなどとも訝ってしまう出来。
しかしながら、この作者は『既存の洒落た文学へのアンチテーゼ』なるものを抱えているようにも思われるので、このお粗末な文章、排他的な独自の言語と言うのは、町田氏なりの一つの形なのかもしれない。
物語としては、特筆すべき点はないかと思われる。
よく言えば町田流、悪く言えば行き当たりばったりの何でもアリストーリー。
幻想的な世界観に嵌め込んでしまえば、強引な展開にも納得はいく。
逆に言えば、現実と非現実の狭間のような、この幻想世界を理解できない方には全く魅力を感じ取ることが出来ないかもしれない。

装丁はすばらしい。
所有することに、喜びを素直に感じられる出来。

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