法医学者が見た再審無罪の真相(祥伝社新書) の感想

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参照データ

タイトル法医学者が見た再審無罪の真相(祥伝社新書)
発売日販売日未定
製作者押田茂實
販売元祥伝社
JANコード9784396113957
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 司法・裁判 » 刑法・訴訟法

購入者の感想

 法医学の重要性等々については既にふれたが(同じ押田茂實氏の『法医学現場の真相』の拙レビュー),本書は,(1)袴田事件を初め,東電OL・足利・布川・氷見・飯塚事件などにつき,実に注目すべき(時には,著しく論争的な,あるいは恐ろしい)情報を数多く教えてくれるほか,(2)重要性が飛躍的に増大している「DNA鑑定」の――有罪証拠あるいは無罪証拠としての――抜群の威力を,諸事件を例に,具体的に明らかにすると共に,(3)この点が特別に強調されなければならないが,このDNA鑑定にも致命的過誤が混入する危険が多々あり,その実施にも評価にも注意すべき点が多いこと(また,関連最新情報)を,一般人・素人にも極力分り易く説明している。類書は乏しく,本書の存在意義は絶大と思われる。
 とりわけ,DNA鑑定に関わる事件での裁判員(になり得る一般市民),裁判官・検察官,とくに,問題の認識・掘り起こし・指摘の必要性が高い弁護人,にとつて,また,DNA鑑定に関心をもつ学者・研究者にとっても,法医学の権威による本書は,間違いなく,必読書であろう。
(4)袴田事件に関しては,被害者の特定の損傷が,凶器と認定されたクリ小刀で形成され得るかにつき,否定的な鑑定書を作成・提出していること,その後の画期的な静岡地裁再審開始決定の内容・根拠,マスコミに載った木谷明氏(元東京高裁裁判長。名著『刑事裁判のいのち』)と押田氏の各重要コメントの内容,犯行(4人惨殺)時着衣をパジャマから5点衣類に変更したこと等に関する静岡県警捜査記録の注目すべき内容,などが紹介されており(14頁以下),大いに一読に値する。

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祥伝社から発売された押田茂實の法医学者が見た再審無罪の真相(祥伝社新書)(JAN:9784396113957)の感想と評価
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