地方都市を考える 「消費社会」の先端から の感想

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参照データ

タイトル地方都市を考える 「消費社会」の先端から
発売日販売日未定
製作者貞包 英之
販売元花伝社
JANコード9784763407559
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

近年の時流に乗り多くの地方社会論がだされているが、知的な意味で満足できるものは少ない。多くの本が事例を並べるだけの資料集に留まっているか、またはあまりにも明るい見通しを述べるだけの自治体やプランナーの宣伝文集に留まっているためだ。
 そのなかで本書は、地方社会の現状を、かなり実証的な水準から精緻に描いている。例をいくつか挙げてみよう。

・近年、大都市や地方郡部ではなく、地方都市でこそ空き家が増加していること。その理由として筆者は、戦後の家族による住宅購買システムの問題や、それに応じた身体感覚の変化を挙げている。

・かつて都市政治の実権を握っていた自営業層が没落するなかで、政治構造が変化し、それを補うものとしてまちづくりの運動や、観光誘致がさかんになっていること。

・2000年代にショッピングモールの経営形態が法的、また実態的に変り、それが現在のモールの地方社会での優位を実現していること。またそれが自治体間のモール誘致合戦を引き起こしていると筆者は指摘する。

こうした指摘は、かなり鋭く、地方都市を考える上で、たんに事例主義的な本からは得がたい刺激をあたえてくれる。外部からではなく、内部からみた地方都市の姿は、このように複雑なものなのだろう。

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