薬石としての本たち の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル薬石としての本たち
発売日販売日未定
製作者南木 佳士
販売元文藝春秋
JANコード9784163903361
カテゴリ文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 芥川賞 » 76-100回

購入者の感想

 タイとカンボジアの国境の難民キャンプで南木医師と一緒に活動していた友人の医師から南木佳士さんの人となりを聞いて以来、同氏の書いたものは極力読むようにしている。最近出版されたこの本も感銘深いものがあり、啓発される箇所が幾つかあった。

 それよりも読み物として面白い。南木さんが感銘や影響を受けた書籍を紹介する短編集ではあるが、その時の自分の状況を、例えば患者に対してどのように向き合うかを模索している時に、「Roentgenologic Anatomy of the Lung」を読んで胸部単純X線写真が読めるようになった、とか、大森荘蔵の書いた、「流れとよどみ」に出会った頃のうつ病が再発するかどうか不安な気分でいた頃の自分自身の描写など(「曇天の霹靂」というふざけた題名だが)、その時々に出会った本が自分に対してどういうふうに「薬石」として効いたのか、を記述している。なかなか味な表現するなぁ、と題名のつけ方にも感心した。

 その他に南木さんが紹介している本としては、「村で病気とたたかう」若月俊一著、「エピクロス 教説と手紙」出隆・岩崎允訳、「脳と自然と日本」「手入れ文化と日本」養老孟司著、「マンネリズムのすすめ」丘沢静也著、「脳を鍛えるには運動しかない」ジョンJ・レイテwith エリック・ヘイガーマン著、「マンモグラフィのあすなろ教室」石山公一他著、である。

 これ等の本を、田んぼや、木の上や木陰に立てかけて写真を撮り、紹介しているのも独特な表現になっている。私はさっそく「脳を鍛えるには運動しかない」を買った。

 文章が上手で、まるで文字の中を遊泳しているような感じで快く読めて、楽しい時間を過ごすことが出来た。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

薬石としての本たち

アマゾンで購入する
文藝春秋から発売された南木 佳士の薬石としての本たち(JAN:9784163903361)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.