演目別歌舞伎の衣裳―鑑賞入門 の感想

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参照データ

タイトル演目別歌舞伎の衣裳―鑑賞入門
発売日販売日未定
販売元東京美術
JANコード9784808709792
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 日本の伝統文化 » 歌舞伎・文楽・能

購入者の感想

歌舞伎の魅力のひとつは、やはりあのファンタスティックな衣裳。
本書は「歌舞伎十八番」「時代物」「世話物」「所作事」「松羽目物」からそれぞれ選んだ27演目について、主人公やヒロインの着ている衣裳を、豪華な写真で思い切り見せてくれます。

 まず舞台写真そのもののアップ(現代の舞台がほとんどで、演じている役者についても説明あり)。そこに、この帯は何、持ち物は何、などと図解をしたうえで、別立てで衣裳を衣桁にかけたような形の写真できちんと解説。「十六武蔵文様着付 麻の葉斜段文様絞襦袢」(お三輪)等と名称まで正式に記され、これは歌舞伎好きでもあまり知らないのではないかと思います。演目に登場するあらゆる襦袢や胴抜、打ち掛けに名前があります。

 もちろん劇自体のストーリーものっており、衣裳の持つ意味、当時の浮世絵、また昔の衣裳写真とちりばめて、飽きさせません。初めて歌舞伎を観ようという人も楽しめると思いますし、幕間として記されたエッセイ的な解説(「遊女の装い」「豊国漫画と五人男」「四天と小忌衣」「弁慶格子」「女方の髪型」「九代目と活歴物」など)も充実していて、ある程度観劇歴のあるファンにも読み応えがあります。由緒衣裳といって、昔は三越などの百貨店が劇場に衣裳を貸し出していたため、誰が着用した、と記載が残っている、との記事にも驚きました。

 二人の著者は服飾史の専門家、歌舞伎の専門家で、ともに人文学部東アジア文化学科の教員。見て楽しいだけでなく、学術的な内容の豊かさにも納得がゆき、満足しました。

(演者の名前が、上演当時のままになっているところがあるのが少し気になりました。たとえば八代目福助はあとに(現・四代目中村梅玉)とつけるべきでは。それから、目についた誤植は大和屋の姓「坂東」がかなり多くの箇所で「板東」になっていたことです。重版時の訂正を望みます。)

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東京美術から発売された演目別歌舞伎の衣裳―鑑賞入門(JAN:9784808709792)の感想と評価
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