新車のなかの女【新訳版】 (創元推理文庫) の感想
参照データ
タイトル | 新車のなかの女【新訳版】 (創元推理文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | セバスチアン・ジャプリゾ |
販売元 | 東京創元社 |
JANコード | 9784488142070 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学 |
購入者の感想
車を回送させるように頼まれた主人公がそのまま旅に出て不可解な事態に巻き込まれ・・・というお話。
行く先々で自分では覚えていないのに相手が自分の事を知っているという不可解な状況の元に追いやられるという不条理なサスペンス。自分では初めて来た所なのに、周囲の人間は前に見たと主張するという状況は前作「シンデレラの罠」に通じるアイデンティティの喪失と通じる部分のある展開だと思います。ジャプリゾはこういうニューロテッィク・スリラーを書かせると抜群の技量を発揮し、本書もこの人の作品を全部読んだ訳ではないですが、異論を承知で言えば最高傑作に当たるのではないかと思いました。故・瀬戸川猛資氏も「シンデレラの罠」よりもきらびやかなテクニックを駆使した本書の方が断然いいと仰っていた記憶があります(私は両方とも好きですが)。
という訳で巻き込まれ型サスペンスのジャンルの中でも最高峰に位置する作品だと思うので、余計な情報や先入観を読む前に持たないで、いきなり読んだ方が楽しめること請け合いの作品だと思います。
それと、冒頭のセリフの緊張感が凄まじく、ミステリ史に残る名文だと思いました。
鬼才がその技巧の粋を極限まで凝らした大傑作。必読。
行く先々で自分では覚えていないのに相手が自分の事を知っているという不可解な状況の元に追いやられるという不条理なサスペンス。自分では初めて来た所なのに、周囲の人間は前に見たと主張するという状況は前作「シンデレラの罠」に通じるアイデンティティの喪失と通じる部分のある展開だと思います。ジャプリゾはこういうニューロテッィク・スリラーを書かせると抜群の技量を発揮し、本書もこの人の作品を全部読んだ訳ではないですが、異論を承知で言えば最高傑作に当たるのではないかと思いました。故・瀬戸川猛資氏も「シンデレラの罠」よりもきらびやかなテクニックを駆使した本書の方が断然いいと仰っていた記憶があります(私は両方とも好きですが)。
という訳で巻き込まれ型サスペンスのジャンルの中でも最高峰に位置する作品だと思うので、余計な情報や先入観を読む前に持たないで、いきなり読んだ方が楽しめること請け合いの作品だと思います。
それと、冒頭のセリフの緊張感が凄まじく、ミステリ史に残る名文だと思いました。
鬼才がその技巧の粋を極限まで凝らした大傑作。必読。