暗殺教室 10 (ジャンプコミックス) の感想

ずいぶん派手な表紙カバーの10巻です。

イトナ君がついにクラスに合流。
強力な敵が仲間に加わるというのはいかにもジャンプ的。
最後の方では毒気が抜けて普通に少年漫画の主人公っぽくなってます。
そしてもう一人、フィーチャーされてるのは茅野さん。
彼女の作るプリンがマジでうまそうなので必見。

相変わらず安定して面白いです。
茅野さんに一話まるっと割いてるとこみると、
完結までにクラス全員見せ場がありそうで今後がますます楽しみになりました。

私たちの教育システムは、人に備わってる”真の能力”を正確に評価するようになっているんだろうか？
そんなセンシティブな問題に一石どころか触手の乱れ打ちを投じてくれるのが暗殺教室の面白さだと思います。

学校の成績がそのまま人生の成功につながる決定的な要素であると教えられて幾星霜。
社会全体がそういう風潮な為、”割りと”誰もがそれを鵜呑みにし、疑うこと無くその考えを受け入れてしまっています。
「いやいや、学校の勉強できなきゃ普通にヤバいだろ。底辺確定だろ」と。
その為、無数の本来能力のある人たちが、自身の真の能力に目を向けることすらなく生涯を終えているのかもしれません。
横暴な言い方をすると、学校の勉強が出来なかったことを発端とした人生の落伍者（じゃないのに）として。

しかし、そんな風にして築いてしまった”心の枷”をひとつずつ取り払い、ひとりひとりに備わった真の能力を
発揮させ、生きる術を教えてくれるのが殺せんせーの教育なのだと思います。

程よく人類存亡の危機をチラつかせながら。