レーシングエンジンの徹底研究 の感想
参照データ
タイトル | レーシングエンジンの徹底研究 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 林 義正 |
販売元 | グランプリ出版 |
JANコード | 9784876872312 |
カテゴリ | 科学・テクノロジー » 工学 » 機械工学 » エンジン工学 |
購入者の感想
私が持っているのはこの新版ではなく古いほうの版。今回新版が出たと言うので申し訳ないが借用して目を通してみた。
前の版に比べると図や写真、データや記述も追加されて内容はより深くなっている。現場で実物に触れた者のみが語れる深く細かい描写は変わらず鋭いし、エンジンメカニズムの原理についての説明も、初心者でもわかり易いよう良く練られている。この本は極限の性能を追求するレースエンジンへの正しい知識を得るために、おそらく邦内では最高峰の1冊だろう。
ただし難点を少々挙げるとしたら、林氏が現場で最先端の舞台に立っていたころからずいぶん時間がたっており、記述内容にいささか古さが目立つ点が気になった。コイルスプリングでのバルブ駆動の限界を14000rpmというのは、数年前の米国CARTエンジンでの16000オーバーの実情を反映していない。また林氏が日産の中で立てた解決方法は、必ずしも唯一絶対な解とは限らない。同じ性能を違った形で実現している例もあるわけであり、林氏が「最善の方法」と語るのは、あの頃のニッサンVRH35での最適解である。そのあたりを読む側がわきまえていないと、なまじ本の出来がいいだけに読者が「これしかない」と誤解しかねない。
とはいえこの本のできのよさは間違いないものといえるので、記述内容のちょっと古い点だけを差し引いて★4つ。
前の版に比べると図や写真、データや記述も追加されて内容はより深くなっている。現場で実物に触れた者のみが語れる深く細かい描写は変わらず鋭いし、エンジンメカニズムの原理についての説明も、初心者でもわかり易いよう良く練られている。この本は極限の性能を追求するレースエンジンへの正しい知識を得るために、おそらく邦内では最高峰の1冊だろう。
ただし難点を少々挙げるとしたら、林氏が現場で最先端の舞台に立っていたころからずいぶん時間がたっており、記述内容にいささか古さが目立つ点が気になった。コイルスプリングでのバルブ駆動の限界を14000rpmというのは、数年前の米国CARTエンジンでの16000オーバーの実情を反映していない。また林氏が日産の中で立てた解決方法は、必ずしも唯一絶対な解とは限らない。同じ性能を違った形で実現している例もあるわけであり、林氏が「最善の方法」と語るのは、あの頃のニッサンVRH35での最適解である。そのあたりを読む側がわきまえていないと、なまじ本の出来がいいだけに読者が「これしかない」と誤解しかねない。
とはいえこの本のできのよさは間違いないものといえるので、記述内容のちょっと古い点だけを差し引いて★4つ。