「共倒れ」社会を超えて: 生の無条件の肯定へ! (筑摩選書) の感想
参照データ
タイトル | 「共倒れ」社会を超えて: 生の無条件の肯定へ! (筑摩選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 野崎 泰伸 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480016188 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門 |
購入者の感想
現代の社会には、「健常者>>>障害者」という序列が厳然と存在している。
また、近年の日本では、「超」の付くほどの自己責任論が社会全体を支配するようになっている。
これらの結果、障害者(+その支援者)が日本の社会から弾き出されているのが実情である。
そこで、著者の野崎泰伸さんは、社会学者+(身体)障害の当事者を代表してこの本を書いたわけであるが、まず読んでみて分かるのは、(新型)出生前診断などのような、生と死に関する倫理的な諸問題を非常に深く掘り下げていることである。
例えば、この本の第3章では、将来に絶望して、障害を持つ子供と一緒に無理心中してしまった一家のケースが取り上げられていたが、現代の日本では、このようなケースが表面化すると、すぐ「2ちゃんねる」などのネット掲示板に氾濫しているような、「子供を殺す親が悪い!」「障害のある子供を産む方が悪い!」「障害を治せない奴はダメだ!」などといった自己責任論で物事を片付けようとする風潮が強くある。
だが、これでは障害者世帯の貧困という問題に全くメスが入れられないため、同じようなケースが全国各地でエンドレスに繰り返されてしまうのがオチである。
そこで、著者の野崎さんは、この本の中で「障害者がこの社会で抱える『生きづらさ』の問題を、個人の問題へと矮小化してはならない!」と訴えたわけであるが、このような主張を真正面から展開することは、真の意味での犠牲なき社会を作る上で必要不可欠なことでもある。
それだけでも、この本が単なる処世術や、人生訓に終始しがちなB層向けの倫理学テキストとは、明らかに一線を画していることがすぐに分かるはずである。
なお、この本には、「A層」「B層」「C層」「D層」という表現は全く使われていなかったが、現代の日本の社会は、A層(社会の勝ち組=障害者を「社会のお荷物」としか考えていない層)が、社会の圧倒的多数を占めるB層(メディアなどの情報に簡単に流されてしまう層)を取り込む(と同時に、彼らが日本共産党以外の政党{主に自民党}を支持するように仕向ける)ことで成り立っているのが実情である。
また、近年の日本では、「超」の付くほどの自己責任論が社会全体を支配するようになっている。
これらの結果、障害者(+その支援者)が日本の社会から弾き出されているのが実情である。
そこで、著者の野崎泰伸さんは、社会学者+(身体)障害の当事者を代表してこの本を書いたわけであるが、まず読んでみて分かるのは、(新型)出生前診断などのような、生と死に関する倫理的な諸問題を非常に深く掘り下げていることである。
例えば、この本の第3章では、将来に絶望して、障害を持つ子供と一緒に無理心中してしまった一家のケースが取り上げられていたが、現代の日本では、このようなケースが表面化すると、すぐ「2ちゃんねる」などのネット掲示板に氾濫しているような、「子供を殺す親が悪い!」「障害のある子供を産む方が悪い!」「障害を治せない奴はダメだ!」などといった自己責任論で物事を片付けようとする風潮が強くある。
だが、これでは障害者世帯の貧困という問題に全くメスが入れられないため、同じようなケースが全国各地でエンドレスに繰り返されてしまうのがオチである。
そこで、著者の野崎さんは、この本の中で「障害者がこの社会で抱える『生きづらさ』の問題を、個人の問題へと矮小化してはならない!」と訴えたわけであるが、このような主張を真正面から展開することは、真の意味での犠牲なき社会を作る上で必要不可欠なことでもある。
それだけでも、この本が単なる処世術や、人生訓に終始しがちなB層向けの倫理学テキストとは、明らかに一線を画していることがすぐに分かるはずである。
なお、この本には、「A層」「B層」「C層」「D層」という表現は全く使われていなかったが、現代の日本の社会は、A層(社会の勝ち組=障害者を「社会のお荷物」としか考えていない層)が、社会の圧倒的多数を占めるB層(メディアなどの情報に簡単に流されてしまう層)を取り込む(と同時に、彼らが日本共産党以外の政党{主に自民党}を支持するように仕向ける)ことで成り立っているのが実情である。