不確実な未来を生き抜くための「経済史」 (SB新書) の感想
参照データ
タイトル | 不確実な未来を生き抜くための「経済史」 (SB新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 増田 悦佐 |
販売元 | SBクリエイティブ |
JANコード | 9784797382891 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済史 |
購入者の感想
アベノミクスの三本の矢は期待通りの効果がなかなかあがらず、新三本の矢の内容もあまりはっきりとは見えない現在、日本の未来は、本書の題名のとおり「不確実性」がますます増しているように思われてならない。こうした時代に不安を抱いていた先頃本書を読んで、行く手の霧が少し晴れたように思った。これは本書が、経済史の知識の裏打ちのある見方にもとづいて、これからの日本の進むべき方向を指し示してくれるからではないかと思った。
不確実な見通ししか持てない時代には、不安が先だって足下や手元ばかりを見る近視眼的な思考にとらわれがちだが、本書は日本の縄文時代から説き起こし、以降、経済史上のさまざまな興味深いエピソードをちりばめ、長い歴史の観点から経済を見る目の大切さを教えてくれる。なかでも興味深かった史実は、16世紀以降は、「インフレと戦争の世紀」と「デフレと平和の世紀」が交代してきた歴史だという指摘である。この指摘はこれからの日本の行方にヒントを与えてくれている。
本書におけるアベノミクスの評価は厳しい。この評価も現状を踏まえているので、うなずける内容になっていると感じた。
日本の行く手を晴らすページが第6章である。この章では日本の特徴を活かした様々なアイデアが開陳されている。これらのアイデアにはいちいちなるほどとうならされたが、本当に実行されなければ、絵に描いた餅になってしまう、というのが読後に残った思いである。
不確実な見通ししか持てない時代には、不安が先だって足下や手元ばかりを見る近視眼的な思考にとらわれがちだが、本書は日本の縄文時代から説き起こし、以降、経済史上のさまざまな興味深いエピソードをちりばめ、長い歴史の観点から経済を見る目の大切さを教えてくれる。なかでも興味深かった史実は、16世紀以降は、「インフレと戦争の世紀」と「デフレと平和の世紀」が交代してきた歴史だという指摘である。この指摘はこれからの日本の行方にヒントを与えてくれている。
本書におけるアベノミクスの評価は厳しい。この評価も現状を踏まえているので、うなずける内容になっていると感じた。
日本の行く手を晴らすページが第6章である。この章では日本の特徴を活かした様々なアイデアが開陳されている。これらのアイデアにはいちいちなるほどとうならされたが、本当に実行されなければ、絵に描いた餅になってしまう、というのが読後に残った思いである。