世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者久保田 麻琴
販売元岩波書店
JANコード9784004310112
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » 音楽史

購入者の感想

第 I 部は紀行ありのライヴ・リポート 3 つ。流石、音楽製作の人なので、大袈裟な比喩や思い入れで押し切ることはなく、的確な描写。『ラティーナ』に掲載されたものを大幅加筆してあるとの事だが、専門誌を買う程でないライトなファンがこうやってまとめて読む事ができるのは助かる。

モロッコのグナワがサンバと同じビートの「訛り」(ズレ、グルーヴ)を持っているという個所があるのだが、それをカタカナで表現しているのが秀逸。

[ナ]ダサカ[コ]ナサカ → [ナ]ンダサ[カコ]ンナサ[カ] → 更に発展型

こんな感じで。[ ]は強調。

サンバのリズムが頭に浮かぶ人は吹き出すこと受け合い。強調された一と四拍目が“ハマって”三練符のちんどん屋みたいになり、それが加速していくと、何かヘンな、えも言われぬ気持ちいい状態になる。

第 II 部は対談なのだが、田中勝則という聞き手がいい。同好の士なので話が自然で、しかも内輪話に走らない。ハワイ、沖縄等、いろんな話があるが、印象に残ったのが、日本とインドネシアの類似性の中で、日本の歌謡曲の「濃さ」を伝えるこんな一説。最近 1963 年の紅白歌合戦のヴィディオを見て「この国に行きたい!」と思ったとか。

音の錬金術師とはよく言ったもの。好き者の遍歴は一読の価値あり。ディープなワールド・ミュージックのファンのみならず、宮沢和史、シコ・サイエンスなんかが好きな人は楽しめると思う。

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