日本の食文化史――旧石器時代から現代まで の感想
参照データ
タイトル | 日本の食文化史――旧石器時代から現代まで |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 石毛 直道 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000610889 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
2013年、和食はユネスコ無形文化遺産に登録された。
だが、これは「すし」や「てんぷら」等の個別の料理が選ばれた訳ではなく、さりとて「会席料理」や「家庭料理」といった食事の形態が着目された訳でもない。
何よりも「和食」という食文化そのものが評価されたのである。
だが、一概に「和食」とは言うものの、要は私達が日々食しているものの殆どが「和食」であり、カレーライスやラーメンも今となっては立派な和食だ。
そこで、改めて和食の歴史と変容を説いたのが本書であり、「日本食文化」の全てを語り尽くした一冊として非常に読み応えがあった。
さて、本書を解説するに当たり、一番高く評価するべきはその網羅性であろう。
縄文・弥生時代の狩猟・採集・稲作を主とした時代の食生活に始まり、諸外国からの食文化と日本食へのアレンジ、“日本的洋食”の出現、仏教の教えに従った肉食の禁止と近代の肉食推奨、外食の発達等など、古代から近・現代への和食の歴史をくまなく解説している。
或いは、食事の回数、配膳方法、年中行事や宴会での食事、和食の作法や盛り付け等の所謂“スタイル”にも言及し、更には、米や麺類、乳製品、酒、茶、菓子、調味料…そして行き着く先は調理器具に至るまで話題が及んでいるのだ。
然も、それらを単に紹介するのみならず、全てを“和食の歴史と文化”という枠組みの中に綺麗に収めている。
読み易さは然る事ながら、その幅の広さと奥の深さは圧巻であり、頁を捲る毎に一つ一つ貴重な知識が積み重ねられて行くようであった。
また、今まで知っているようでいて知らなかった雑学が備わって来るのも面白い。
例えば、混乱しがちな「会席料理」と「懐石料理」の原点、一日三食になった理由、「米飯=酒VSワイン=パン」の位置付け、若しくは「おかず」と「肴」の違い、保存食から生鮮食品化した現代の漬物…そして箸使いのタブー、鏡餅の意味、板前の語源等など、余りにも多くの情報が凝縮されているので知恵熱が出てしまいそうである。
いや、冗談ではなくて、それ程までに有用な内容で満たされているのだ。
取り分け大きな発見だったのは、和食の盛り付けについて解説した箇所である。
だが、これは「すし」や「てんぷら」等の個別の料理が選ばれた訳ではなく、さりとて「会席料理」や「家庭料理」といった食事の形態が着目された訳でもない。
何よりも「和食」という食文化そのものが評価されたのである。
だが、一概に「和食」とは言うものの、要は私達が日々食しているものの殆どが「和食」であり、カレーライスやラーメンも今となっては立派な和食だ。
そこで、改めて和食の歴史と変容を説いたのが本書であり、「日本食文化」の全てを語り尽くした一冊として非常に読み応えがあった。
さて、本書を解説するに当たり、一番高く評価するべきはその網羅性であろう。
縄文・弥生時代の狩猟・採集・稲作を主とした時代の食生活に始まり、諸外国からの食文化と日本食へのアレンジ、“日本的洋食”の出現、仏教の教えに従った肉食の禁止と近代の肉食推奨、外食の発達等など、古代から近・現代への和食の歴史をくまなく解説している。
或いは、食事の回数、配膳方法、年中行事や宴会での食事、和食の作法や盛り付け等の所謂“スタイル”にも言及し、更には、米や麺類、乳製品、酒、茶、菓子、調味料…そして行き着く先は調理器具に至るまで話題が及んでいるのだ。
然も、それらを単に紹介するのみならず、全てを“和食の歴史と文化”という枠組みの中に綺麗に収めている。
読み易さは然る事ながら、その幅の広さと奥の深さは圧巻であり、頁を捲る毎に一つ一つ貴重な知識が積み重ねられて行くようであった。
また、今まで知っているようでいて知らなかった雑学が備わって来るのも面白い。
例えば、混乱しがちな「会席料理」と「懐石料理」の原点、一日三食になった理由、「米飯=酒VSワイン=パン」の位置付け、若しくは「おかず」と「肴」の違い、保存食から生鮮食品化した現代の漬物…そして箸使いのタブー、鏡餅の意味、板前の語源等など、余りにも多くの情報が凝縮されているので知恵熱が出てしまいそうである。
いや、冗談ではなくて、それ程までに有用な内容で満たされているのだ。
取り分け大きな発見だったのは、和食の盛り付けについて解説した箇所である。