昭和天皇実録 第三 の感想

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タイトル昭和天皇実録 第三
発売日2015-09-26
販売元東京書籍
JANコード9784487744039
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

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本編は大正十年より大正十二年を収める。該巻の中心は大正十年三月の皇太子「欧洲御巡遊」である。
第一の奇港先香港と次のシンガポールでは日本側は非公式な微行にとどめ、公式上陸したのは三月二十日
のセイロンをもって嚆矢とした。英国側は皇太子の公式上陸を期待していたが、さきの寄港地では日本側は敢
えて非公式な微行を実施した。セイロンに公式上陸した理由は、朝鮮独立運動の震源地上海から遠のいたこと、
香港、シンガポールでの英国側の警備に信頼性を得ることができたからである。こうして、英国側の意向を日本
は陰日向に気づかいながら、五月六日、二ヶ月余の長い航海を経て英国本土に着いた。
バッキンガム宮殿の晩餐会ではジョージ五世やメアリー皇后、エドワード親王らの饗応を受ける。双方の祝辞は
日英同盟の盟約をゆるぎないものとして称えあった。この時期英国は全土に炭坑夫のストライキが広がっていて、
政府主催の晩餐会は日本側で辞退した。つづいての訪問先フランス・ベルギー、オランダ、ことにベルギーでは、
ジョージ五世の慫慂もあって第一次大戦でベルギー軍と英国軍が対独戦で相当の被害を出したイーブル戦跡
を訪ねている。また面白いエピソードとしては、最後のイタリア訪問を控え、カプリ島「青の洞窟」に立ち寄った折
に皇太子と山本御用係らの乗船した小舟が波に煽られ、皇太子以下は頭上より強かに水を被った。召し替えの
服もなく、致し方なく機関室で服を乾かしたという。こうして、「欧洲御巡遊」が無事終了した。
大正十年十一月二十五日、大正天皇の病気療養芳しからず、皇室会議及び枢密院会議の決済を経て裕仁親王
は「摂政」となった。そして大正十二年九月一日は関東大震災である。皇族方にも建物倒壊等、薨去の被害が及
んだが、「災害救護帝都復興」に関する詔書の公布を、皇太子は摂政という公的立場で施行する。
大正十二年九月十二日、午後九時の皇太子の情景として、一侍従が記録している文書があるので、最後に全文
を紹介する。
「数万トナキ惨死体ヲ火葬スルノ反映彼方此方ニ見ユル心地モスレド、夫ノ定カナラズ、幽寂ノ夜ノ帳ハ既ニ垂

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