鎌倉シャツ 魂のものづくり の感想
参照データ
タイトル | 鎌倉シャツ 魂のものづくり |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 丸木 伊参 |
販売元 | 日本経済新聞出版社 |
JANコード | 9784532319403 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 実践経営・リーダーシップ » 企業動向 |
購入者の感想
ビジネス用ドレスシャツを4900円という低価格で売る「メーカーズシャツ鎌倉」をリポート。
日本製で高品質・低価格を実現、ニューヨークにも出店し上々の評価を得ているという注目度の高い企業の旬な内容。
特筆すべきは、小売が絶大な力を持つアパレル業界で、通常であれば弱い立場に立たされる縫製工場としっかりとした協業体制を敷き、サスティナブルな関係を構築しているということ。低価格だが決してよくあるような購買力を笠にきた下請けへのコスト叩きではなく、消費者が買いやすく、かつリピートしやすい価格設定に根ざした高原価、というリスクをとった結果である。原価率はアパレルでは型破りの59%というから驚きである。
読後、実際に鎌倉シャツに商品を見に行ったが、確かにこのスペックでこの値段は他になく、どんなに安くても8000円前後、百貨店などでは12000円以上の代物と思われた。
シャツというアイテムに絞り込み、品質の維持と高回転率化に資源を集中することで利幅の少なさをカバーするという戦略は、単にビジネスモデルの創出という言葉では片ずけられず、貞末会長の商売哲学なくしては実現出来なかったことがよく分かる。会長の経歴にも触れられているが、氏がヴァンジャケット時代にその倒産も目の当たりにし、それが原風景となって現在の姿に繋がっているということも興味深い。メイドインジャパンを訴求する製品は数多あるが、個人的には、手頃な価格でその高品質さを日本人自らに実感させ再認識させているという点で、鎌倉シャツの希少性と優位性が光っているのではないかと思った。
本書の性質上仕方がないかも知れないが、同社への賛美色が濃厚で読後の食傷感は否めない。また万人に読みやすい反面、ビジネス書としての知的好奇心への刺激はやや弱かったように感じる。正確には3.5くらいの評価。
日本製で高品質・低価格を実現、ニューヨークにも出店し上々の評価を得ているという注目度の高い企業の旬な内容。
特筆すべきは、小売が絶大な力を持つアパレル業界で、通常であれば弱い立場に立たされる縫製工場としっかりとした協業体制を敷き、サスティナブルな関係を構築しているということ。低価格だが決してよくあるような購買力を笠にきた下請けへのコスト叩きではなく、消費者が買いやすく、かつリピートしやすい価格設定に根ざした高原価、というリスクをとった結果である。原価率はアパレルでは型破りの59%というから驚きである。
読後、実際に鎌倉シャツに商品を見に行ったが、確かにこのスペックでこの値段は他になく、どんなに安くても8000円前後、百貨店などでは12000円以上の代物と思われた。
シャツというアイテムに絞り込み、品質の維持と高回転率化に資源を集中することで利幅の少なさをカバーするという戦略は、単にビジネスモデルの創出という言葉では片ずけられず、貞末会長の商売哲学なくしては実現出来なかったことがよく分かる。会長の経歴にも触れられているが、氏がヴァンジャケット時代にその倒産も目の当たりにし、それが原風景となって現在の姿に繋がっているということも興味深い。メイドインジャパンを訴求する製品は数多あるが、個人的には、手頃な価格でその高品質さを日本人自らに実感させ再認識させているという点で、鎌倉シャツの希少性と優位性が光っているのではないかと思った。
本書の性質上仕方がないかも知れないが、同社への賛美色が濃厚で読後の食傷感は否めない。また万人に読みやすい反面、ビジネス書としての知的好奇心への刺激はやや弱かったように感じる。正確には3.5くらいの評価。