光技術 その軌跡と挑戦 (別冊日経サイエンス) の感想

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タイトル光技術 その軌跡と挑戦 (別冊日経サイエンス)
発売日2014-11-19
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532512026
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 光学・色彩工学

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日経サイエンスに掲載された過去の記事から、光技術に関するものを集めて再編集した本。「新しい光を創る」「光を自在に操る」「光で極微の世界をとらえる」「光で創る新デバイス」の4つの章に分かれている。

2014年にノーベル賞を受賞した中村修二氏が日亜化学時代の1994年に寄稿した青色LEDに関するものや、カリフォルニア大学サンタバーバラ校に移って2009年に共著で書いた緑色レーザーの研究成果について解説したものも収められているが、他にもかなり目を引くものが多くあった。

超短光パルスが等しい時間間隔で並んで数万本の歯を持つくしのようなスペクトルの「光コム」。1フェムト秒(1000兆分の1秒)という極めて短い信号を放つ高性能レーザは、超精密材料加工、外科手術、テラヘルツの周波数帯を利用した高解像度画像など様々な分野に応用できる。卓上型レーザー装置は今まで大型装置でしかできなっかった用途を代替できる。X線レーザー装置はSFによく登場するレーザーの世界にもっとも近い。一定の波長領域の光を通さない「フォトニックバンドギャップ」を利用した結晶や、負の屈折率を持つメタマテリアル、ナノビームを応用した4次元電子顕微鏡法、講師1個を見る超電導センサーは、こんなことができるのかという感じである。光干渉ディスプレー、電子回路における光技術の応用といった話もあるし、光を止める物理学や、「オリンパス・バイオスケープ国際デジタルコンペティション」の受賞作の画像もすごい。光でプラズモンという電子の波を発生させる現象を回路に応用するプラズモニクスという分野にも未来を感じる。基本的に米国の研究者の書いたものが多いが、適時それぞれのテーマにおける日本での研究の状況についての説明が掲載されている。

光技術はナノテクノロジーや物性科学と密接な関係を持ち、IT、医療、材料加工などに今後様々な応用されながら発展してゆくことになるだろう。難易度は高めで理工系の基礎知識を必要とする内容であるが、光技術が未来を照らす技術でもあることを実感させる内容である。

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