ティラノサウルスはすごい (文春新書) の感想
参照データ
タイトル | ティラノサウルスはすごい (文春新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 土屋 健 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784166610327 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 恐竜 |
購入者の感想
本書の趣旨はタイトル通り、恐竜の王様とも言うべき『ティラノサウルス』に関する考古学・古生物学的側面からの解説書である。監修者・著者共に地質学、古生物学、恐竜化石などに関する研究者・専門家である。全体的に実証的、科学的な論文や発掘レポートを典拠にしつつ、広く一般読者に馴染みやすいようにイラスト・写真、統計グラフなどを多用して平易・比喩的であり、非常に判りやすい解説となっているので予備知識は殆ど不要だろう。ただ私見ながら、『ティラノサウルス』という特定固有の種を指す場合と、「ティラノサウルス類」(95・140頁ほか)と指す場合があって、個人的には多少混乱しやすい。例えば151ページには「ティラノサウルスを含むティラノサウルス類」、「ティラノサウルス類のタルボサウルス」と言った表現があって(2〜13頁参照)、右表現と生物的分類について図表などの解説が欲しいところである(29頁のような表など)。
本書では第2章で映画で描かれた恐竜(「ティラノサウルス」)についても取り上げており、当然にあの『ジュラシック・パーク』シリーズも取り上げている。この映画に関して以前から個人的な疑問として抱いていた事情だが、「ティラノサウルス」の全盛期は「ジュラ紀」ではなく「白亜紀」末であることは周知のことだろう(14〜15頁など参照)。右ページの表から計算すると、「ティラノサウルス」が登場するには最速でも「ジュラ紀」末から観て“7000万年強”の時間を要する。特に「ティラノサウルス」が中心となるシリーズ1については、本来は“Cretaceous Park”ではないか?とも思う。時代的には同映画に登場する「ヴェロキラプトル」が「白亜紀」末に近いようだが、劇中で描かれた事実背景(「ヴェロキラプトル」と「デイノニクス」を同一種と観る説に従ったらしいエピソードがある)について異論があるようで、本書では右のような疑問や事情に触れていない(79〜81頁)のはエンターテイメント性を考慮したものと個人的には納得している。
本書では第2章で映画で描かれた恐竜(「ティラノサウルス」)についても取り上げており、当然にあの『ジュラシック・パーク』シリーズも取り上げている。この映画に関して以前から個人的な疑問として抱いていた事情だが、「ティラノサウルス」の全盛期は「ジュラ紀」ではなく「白亜紀」末であることは周知のことだろう(14〜15頁など参照)。右ページの表から計算すると、「ティラノサウルス」が登場するには最速でも「ジュラ紀」末から観て“7000万年強”の時間を要する。特に「ティラノサウルス」が中心となるシリーズ1については、本来は“Cretaceous Park”ではないか?とも思う。時代的には同映画に登場する「ヴェロキラプトル」が「白亜紀」末に近いようだが、劇中で描かれた事実背景(「ヴェロキラプトル」と「デイノニクス」を同一種と観る説に従ったらしいエピソードがある)について異論があるようで、本書では右のような疑問や事情に触れていない(79〜81頁)のはエンターテイメント性を考慮したものと個人的には納得している。