加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか の感想

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参照データ

タイトル加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか
発売日販売日未定
製作者ディードリ・バレット
販売元エヌティティ出版
JANコード9784757150713
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 医学

購入者の感想

 著者は心理学専門の医師。肥満の催眠療法や行動療法をおこなうと同時に、拒食症の治療経験も豊富である。

 本書にも、問題はいくつかある。

1.低体重リスクを軽く見すぎであること。
 原因不明の病気で亡くなった人をのぞくと、BMIが低すぎることによるリスクはほぼ存在しない、彼らは病気が原因で体重が減少したのであろうという意見にはうなずけない。病因を明確にしないかぎり、安易な結論を出すべきではないし、低体重では明らかにリスクがあがる肺炎の場合、低体重では発熱を伴わないことがしばしばあり、誤診の原因となっている。 また、一部の病気を除くという統計処理の方法を許すなら、糖尿病を除いた場合、BMIがやや高い人間の方が長寿であるという報告もある。そして糖尿病治療薬の発達とともに、実際にBMIが高い側の寿命が延びているのである。つまり低体重の場合も、高体重の場合も、病気を計算に入れないことは馬鹿げているのだ。
 低体重リスクは、日本や米国、ヨーロッパのような、抗生物質がいつでも簡単に手に入り、冬に暖房がなくなるような危険がほぼない先進国でのみ、低く見積もれる。安易に信用するのは危険である。

2.食事制限の提案が極端であること。
 肥満の患者に接していると、彼らの申告を真に受け、体重を減らすには非常に厳しい食事制限が必要なのではないかと考えてしまう。実際には、患者が太っているのは、食事制限がゆるすぎるからではない。食事制限を守っていないことを報告していないのである。
 この本で提案された食事を厳密に守ると、体重が減少しすぎて危険である。その点は、読者は考慮しておくべきだと指摘したい。

 だが、この本は、それらの欠点をおぎなってあまりあるすばらしい利点を数多くもっている。

1.医師が、自身の専門分野外の論文もきちんと読み、矛盾する相互の学説もつぶさに検討してフェアに判断した、文句の付けようもないくらい科学的な内容である。引用された論文は、いずれも学術的に有益なものであり、きちんと査読を経たものであり、実際に入手して原文を読むことができるようになっている。

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