うつ病は軽症のうちに治す! (PHP文庫) の感想

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参照データ

タイトルうつ病は軽症のうちに治す! (PHP文庫)
発売日2015-10-03
製作者和田 秀樹
販売元PHP研究所
JANコード9784569764269
カテゴリジャンル別 » 暮らし・健康・子育て » 家庭医学・健康 » ストレス・心の病気

購入者の感想

題名にもあるとおり、著者はうつ病は軽症のうちに治した方がいいと考えているようだが、それはどの病気にもあてはまることだ。ではなぜうつ病が軽傷のうちに治した方がいいかと言えば、「うつ病は脳にダメージを与えるから」だそうだ。

「神経伝達物質の不足が脳の神経細胞にダメージを与え、その結果として、うつ病が起こっているという説が有力になりつつあります」と書いてあり、この仮説が真実だとして本が書かれている。

しかしすぐその後に、「ただし、あくまでも仮説の一つであり、うつ病がどのようなメカニズムで発症するのかは、まだ完全には解明されていません」と書いてあり、ちゃんと予防線が張ってある。

以下うつ病の原因として「セロトニン仮説」がこの30年ほどもっとも強く支持されてきたことを記し、その説明を書いているが、セロトニン仮説を前提として作られているSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)がなぜ効くのか分かつてないと著者は告白する。

ここまで読むと素直な読者は、脳の仕組みが完全に分かったわけではないが、うつ病の治療にSSRIは有効なんだろうと思ってしまうが、次の章でアメリカで起きた、コロンバイン高校銃乱射事件を紹介し、SSRIの副作用として自殺衝動や他者への攻撃性衝動があることが述べられている。

この重大な副作用について、著者は何の解決策も書いていない。「SSRIとSNRIのリスクとベネフィット」というページをわざわざ作っているにもかかわらず、薬のリスクとベネフィットをどう比較検討したらいいのかが書かれていないので、著者がSSRIを飲んだ方jがいいと思っているのか、やめた方がいいと思っているのかが分からないのだ。

認知行動療法にもページが割かれており、治療法の詳しい説明もされているが、日本では薬物療法が圧倒的に多数を占めており、認知行動療法の指導ができる人が不足していることや、認知行動療法には非常に手間がかかることには触れられていない。しかし認知行動療法について紹介してくれるだけでも評価しなければならないだろう。

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