こんなに面白かった「百人一首」 (PHP文庫) の感想

30年以上前、競技カルタを少しかじったことがあって、ＴＶで観て殆ど忘れていて愕然としたところに偶々入手した1冊です。

これは面白い！！　一首毎の作者のプロフィール、歌のできた背景、時代考証などがキッチリ描きこまれていて、昔、カルタを
やった思い出のある熟年から、受験生まで楽しめます。特に、受験生の古文の学習には、音韻のリズムや、懸り結び、懸け言葉
等、平安古文ならではの雅さが、理屈でない暗唱で文法として身に付くので、非常にお勧めです。

私自身は、百人一首もそうでしたが、枕草子、徒然草、方丈記、奥の細道などを現代文と照合しながら読んで、気に入った文は
丸暗記（友人らと連んで、アイスキャンディーや学食のパンやラーメンを賭けてたので真剣勝負だった）しているうちに、自然
に受験勉強が不要になった懐かしさが思い出されます。高校内で百人一首のチャンピオンだった男は、古文の成績は抜群でし
たし。

多少なりとも百人一首や古典に関心のある方、受験生の方は、この価格ならとりあえず入手しておいて、本棚に転がしておく
ダケでも、非常に価値あるものになるでしょう。お勧めです。望むらくは、宮中の見取り図等の図版とか、当時の取り札の
絵柄がカラーアート紙で入っていれば完璧ですが。ソコだけが惜しいです。