掟上今日子の遺言書 の感想

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参照データ

タイトル掟上今日子の遺言書
発売日販売日未定
製作者西尾 維新
販売元講談社
JANコード9784062197847
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

短いスパンでの刊行が続くシリーズの四作目(この二ヶ月後には五作目が予定)ですが,
第一巻の語り部が再登場,途中には忘却探偵である今日子さんの説明もたびたび入るなど,
この巻と同時期にスタートするテレビドラマを意識した構成,話運びのように感じられます.

また,前巻から変わって再び長篇となりましたが,一つの章が短いためにテンポが良く,
時にハッとなるセリフや場面で閉じられる章の最後は,先への展開に意識が向くとともに,
テレビドラマ化が頭にあるせいかもしれませんが,テレビ的な演出に映って印象に残ります.

ミステリとしては,見過ごされていた点を掘り下げ…と,ここまではありがちながら,
彼女としてはあり得ない『ミス』から急転し,解決へと進んでいく終盤は面白いところ.
その真相や動機についても,無理が過ぎるのは否めませんが,著者らしい人物像ともいえ,
それを曖昧に済ませず,厳しい言葉を綴る語り部には,不思議と小さな清々しさを抱きます.

しかし,『忘却探偵』という点では,今回はそれらしい姿が見られなかったのは残念で,
シリーズの開始時に匂わされていた彼女の過去にも,進捗がなかったことは物足りません.
ただ,彼女が残していったいたずら書き.これはやはり『そういうこと』なのでしょうか…?

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