メタルマックス2: リローテッド(特典なし) の感想

メタルマックスシリーズ自体を未プレイで、いろいろあるけどどれやったらいいんだろう？という方は、まずこの２Ｒをやってみてください。
メタルマックスとは何か、という要素が全て詰まっています。現行ハードで遊べるものとしてはシリーズ一押しです。
前作にあたる３（過去作品のリメイクである２Ｒのほうが後発）での不満点が大幅に改善しており、実に快適です。
素晴らしくＭＭの設計思想を体現してるので、合わない人には合わない可能性もあるのですが、レビュー時点では価格もシリーズ随一のお値打ちなので、興味を持たれたら一度やってみる価値ありです。

この「メタルマックス」というゲームはプレイヤーがこのゲームに何を求めているかによって評価が分かれると思う。

A・感動的なストーリーを求めている人
B・仲間同士の掛け合いを求めている人
C・美麗なグラフィックを求めている人
D・戦略性のある戦闘を求めている人
は高確率で合わないと思う。

まずAについて。正直言ってストーリーはないに等しい。
このゲームは荒廃した世界を自由に冒険するゲームだからだ。町へ行って情報を集めたり、戦車を手に入れたり、改造したり、
賞金首をなぎ倒したり、町の人々の依頼を受けたり等……
「復讐」という最大の目的はあるがそこに至るまでにやらなければならない事、倒さなければならない敵は少ない。
それ以外の事はやるもやらないもプレイヤーの自由。この自由度の高さがこのゲームの魅力だ。
SFC時代のゲームのリメイクだからか演出もあっさりしている。

Bについて。このゲーム、酒場に行って仲間を集めるマルチパーティシステムを採用している。
よって仲間キャラクターはいっさいしゃべらない。主人公には町の人と会話したときに出る選択肢が「はい、いいえ」ではなくセリフ口調なので
しゃべっていると言えなくもない。ちなみにこの選択肢、無駄に種類が豊富なうえ非常に独特なのでこのゲームの魅力の１つでもある。

Cについて。まあグラフィックを求めている人はそもそもDSのゲームをやらないんじゃないか？と思うが。
このゲームはSFC時代のような古き良き2Dグラフィック。それでいて敵も味方も非常によくヌルヌル動く。
2Dグラフィックが好きな人にはおすすめできる。

Dについて。このゲームの最大の魅力と言っても過言ではないのが戦車に乗って戦う戦闘である。
大砲・機銃・SE（ミサイル等の特殊兵装）を駆使してザコや賞金首をなぎ倒す。これが効果音と相まって非常に爽快。
さらに戦闘スピードをA〜Eの５段階に設定でき、Eに近いほど敵味方入り乱れた非常にスピーディで爽快なテンポの良い戦闘になる。

ナースやレスラーという変わった職業や、勝手に戦うポチ(AI)をオトモに、改造してミサイルや機銃で武装した車で砂漠を移動し、賞金首を求めて荒廃した世界を冒険するRPG・・・変ですが間違ってないです。

メインには育ての親の仇討ちという単純明快な目的がありますが、ストーリー進行に必須なクエスト以外、攻略の順番は決まっておらず自由です。
サブクエストなんぞやらずに手っ取り早くメインのクエストだけこなして、真っ先に物語を進めたい!って人の気持ちも理解できますが、親切に次の目的を教えてくれるケースは稀です。
賞金首の依頼をいくつか達成するうちに偶然に仇の情報にたどりつく、という感じでプレイするのが世界観的にも自然かと。
攻略情報などを見て効率よく攻略をしたくなる気持ちをグッと抑えて、イカスBGMをバックに気のままにプレイしたほうが気分が出ます。
何よりメインストーリーよりもサブクエストのエピソードの方が感情移入できるものがあったので、最短距離でのクリアは勿体ないです。

あとDSで先に発売されたメタルマックス3があると特典(一部アイテムの引継ぎ)があるのですが、
1.引継ぎにはDS本体が二台必要
2.引き継いだアイテムはメタルマックス3から消える
という微妙な仕様なので、無理してメタルマックス3のソフトを用意する必要もありません。

どんな職業でパーティ編成をするか、戦車に乗るかバスに乗るか、車にレーザー兵器を取り付けるか音波兵器を取り付けるかなど、プレイする人によって見た目から性能までガラリと違ったものになります。
このクエスト・戦闘・カスタマイズの繰り返しが、一番楽しい部分だと感じます。
やりこみ系のRPGが好みの人に特にオススメしたい。