若き物理学徒たちのケンブリッジ: ノーベル賞29人 奇跡の研究所の物語 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル若き物理学徒たちのケンブリッジ: ノーベル賞29人 奇跡の研究所の物語 (新潮文庫)
発売日2013-10-28
製作者小山 慶太
販売元新潮社
JANコード9784101253817
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 科学史・科学者

購入者の感想

 本書は、ケンブリッジ大学のキャヴェンディッシュ研究所の第四代所長であったノーベル賞学者ラザフォードの伝記をメインテーマに、キャヴェンディッシュ研究所やそれ以前に彼が主宰した研究室で彼の指導を受けた人物、共同研究者等の研究内容やエピソード等で肉付けした主に20世紀前半の物理学研究史というような内容の本である。

 副題にもあるようにキャヴェンディッシュ研究所という一つの研究所から29人ものノーベル賞受賞者が生み出されたというのも驚きだが、本書を読むとラザフォード門下だけで12人のノーベル賞受賞者がいるとのことで更に驚きである。彼の研究テーマであった核物理学や原子論といったものが、当時の物理学の中心的課題であったという点は確かであるが、研究者としての非凡な才能や嗅覚、指導者としての優れた資質というものがあってこそ、このような類い稀な業績となったのだということが本書を読むと良く理解できる。

 少しばかり食傷気味になるほどノーベル賞受賞者が登場するが、それだけではなく間違いなくノーベル賞に値する業績を挙げながら第一次世界大戦に従軍し27歳の若さで戦死したモーズリー(4章)やキュリー夫人のスキャンダル(3章)など興味深い話題も多く含まれ、物理学の歴史に興味のある人だけではなく、より幅広い読者層に楽しんで読んでもらえる本ではないかと思われる。また、同じ時代に発展をみた研究分野の中でも相対性理論や量子力学について取り上げた本は数多いが、それらに比べると本書で扱われた研究分野については正面から取り上げたものはそれほど多くなく、まずは概要を知りたいという人にも役に立つ本であると言える。

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新潮社から発売された小山 慶太の若き物理学徒たちのケンブリッジ: ノーベル賞29人 奇跡の研究所の物語 (新潮文庫)(JAN:9784101253817)の感想と評価
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