赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者ルーシー・モード・モンゴメリ
販売元新潮社
JANコード9784102113417
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

NHKドラマ「花子とアン」が放映されたのを機に、知人の娘から頼まれて一連の文庫本を購入し、私も目を通しました。

私は30年来の村岡花子先生の『アンシリーズ』のファンです。少女時代からかたときも離さず、ボロボロになるまで繰り返し読み、一言一句記憶しているといっても良いほどです。

そこで、新しいこの装丁の本に対して、一言どうしても申し上げたい。

なぜ村岡花子先生の名訳を、こんなにズタズタにしてしまったのですか。なんの理由があったのでしょうか。目を通して愕然としました。

かつて出版されていた村岡花子先生の翻訳のほうがはるかに美しく素晴らしい。
年配者の単純な「昔のほうがよかった」主義ではありません。
モンゴメリの原文も読んでいるファンとして、そして村岡先生に憧れて翻訳者の道を歩んだものとして申し上げると、今回の改訳は、変えなくても良い箇所まで徒らにいじり、言葉の選び方も美しくなく、文章の流れも滞りがち。モンゴメリの著作の根底をなす聖書からの引用についての長々しい注釈も不自然で誤りもあります。
いくらご親族のかたであっても、これはあんまりです。

私は村岡花子先生ご自身が訳された古き良き「アンシリーズ」全巻を所有していることを、心底から幸せに思います。

今年は『赤毛のアン』が世に出てちょうど100周年にあたるそうです。
私のような村岡・アンのファンには、この節目の年に新装版が出たことは大変喜ばしい出来事です。
長らく謎とされていた、村岡訳に省略されていた箇所・・・・マシュウが亡くなった晩のアンとマリラの会話がこの新装版には補てんされています。それも孫の村岡美枝さんによって。
村岡訳の特徴は、会話文の古めかしくも品のある台詞回しにあります。この部分がオリジナル訳と比べて違和感のないようにかなり注意を払って訳されています。なのですが、やはりオリジナルのアンとほんのちょっと違うな、という気がしてしまいました。村岡版が出てからもすでに56年がたっているのですから、しかたないかもしれません。
すでに持っているアンがセピア色になりつつあるので、この際改めて新装版を買ってみました。文字が大きくなってて読みやすいです。0

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