GRANTA JAPAN with 早稲田文学 02 の感想

創刊二号目
このご時世に文芸誌を創刊するというのも大変なことなのだろう
日本では馴染みがないが本場の作家の作品や堀江敏幸・島田雅彦など豪華執筆陣や読みやすい短編を多く載せるなど編集にも工夫が見られて良い

しかし新人賞商法はいかがなものか
オール讀物などと同じく賞に応募するためには
本を買って応募券を手に入れなくてはならない
しかも応募券に相当するのは帯裏のロゴである
アマゾンで買いたかったが万が一帯なしのものが届いた場合1800円＋税もした本をもう一度買い直さなきゃいけないかもしれない
そういうリスクや金銭的負担を新人賞に応募するような比較的立場の弱いものに負担を強いて誌面では大御所が優雅に語っているという構造が私は好かないのだ
もっともそれは新人賞を主宰する文芸誌など全般に言えるものでこのグランタに限ったものではないことは周知の事実である
また、誌面の中で本場のグランタがそうであるように積極的に新人を発掘し新作品を世に出していきたい旨が記載されている
新進気鋭の文芸誌であるし、上述したように工夫も見られる人たちが作っているのだからやる気はあるのだろう
そうであるならばなおさら既存の集金装置のような新人賞の方式を踏襲するのではなく無名の作家にも喜ばれる方法を考えて欲しいものだと頁をめくりながら思った
それからやはり価格が税込み2000円もするのでは高いと言わざるを得ない
理想としては1000円もしくは800円くらい
そのくらいなら買う頻度も増すだろう