亡国記 の感想

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参照データ

タイトル亡国記
発売日販売日未定
製作者北野慶
販売元現代書館
JANコード9784768457665
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者

購入者の感想

文章は比較的平易で読みやすく、ストーリー展開もほどよいスピード感がある。
これは、より多くの人々にメッセージを伝えたい、という筆者の思いのあらわれかも知れない。文章の流れに乗ってすうっと読み飛ばしたところに もう一度戻って読み返すということも多々あった。

最愛の翠を失った大輝と陽向。
その後の流浪の旅で見せる父子の心の機微。
後半、お互いの本音をたたかわせる場面に胸を打たれる。
平凡な日常生活では辿り着かない父子の関係の境地に思える。
これから二人は、より強い絆で結ばれた父子として強く生きていけるのではないかと予感させる。

物語では、各国の思惑で 過酷な労働力等として受け入れられるにしても、日本人を難民として受け入れる国もあるが、現実に今のシリア難民の苦境などを見ると、積極的平和主義とやらに前のめりな国、インドシナ難民の受け入れ以後、長年にわたり難民をほとんど受け入れることのない国の国民を 果たして受け入れてくれる国がどれだけあるものなのか、そんなことも考えさせられた。

いずれにしても、過酷なサバイバルに勝てそうな条件など備えない我が身としては、国と運命を共にするしかないのだろう。

しかし、こんなことが現実とならぬよう、後世の人達の為にも せめて諦めずに おかしな政策に異議を唱え続けてはいきたいと思う。

事故後、いち早く北海道に逃げた首相以下の政府関係者、歴代首相、閣僚、高級官僚、九電力会社社長、会長、御用学者等100名を超す責任者が被告席に座らされ、各人が各々責任逃れの弁明に終始したが、終身刑40名、有罪60名の判決が下った。

福島事故では、今のところ誰ひとり罪に問われることもなく、誰ひとり責任を負うこともなく、故に 懲りることなく原発再稼働や他国への輸出に突き進んでいる現状を嘆く身としては、物語の上とはいえ溜飲が下がる思いはしたが、国が滅びた後の事では 空しさしか残らない。

現実の福島事故では、先頃 検察審査会で強制起訴が決まり、今後の裁判の行方が注目されるが、罪を問われるべき人々のほんの一部とはいえ、今の流れを止める為にも

世紀末サバイバルものには目が無い上に、書評家の斎藤美奈子氏と反原発学者の小出裕章氏が推薦しているとあっては、読まずに済ませるわけにもいかない。本サイトでは長らく在庫切れだったため、別サイトより購入した。

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