素粒子の標準模型を超えて (現代理論物理学シリーズ) の感想

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参照データ

タイトル素粒子の標準模型を超えて (現代理論物理学シリーズ)
発売日販売日未定
製作者林 青司
販売元丸善出版
JANコード9784621065099
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 原子・素粒子物理学

購入者の感想

おそらく、進んだ学部生、大学院生、研究者向けの解説書だと思います。難解と思われる内容を、非常にわかりやすく説明して、問題点や課題、展望もきちんと述べられている教育的な良書です。
この本を読んで、わかったこと、役に立ったこと、印象に残ったことを書きます。
標準理論は電磁気力と弱い力、強い力の理論の直積ですが、10の19乗エレクトロンボルト程度のエネルギーではこれら3つの基本的な力が同一の対称性を持つ理論になるのではないかというのが大統一理論です。現在のところ、3つの力が統一されているという実験結果や、SU(5)で物理が対称性をもつという大統一理論を実証する陽子崩壊は見つかっていません。
標準理論ではニュートリノの質量はゼロですが、スーパーカミオカンデの実験によりそれは反証されました。標準理論よりも対称性が強い理論ではニュートリノが振動したり、質量がゼロではなくなります。
電磁気力、弱い力、強い力が統一される世界と現在の我々の世界の間でエネルギーレベルがかけ離れているという不自然さは階層性問題と呼ばれています。
標準理論を越える理論(Beyond Standard Model;BSM)はこれらを解決して、さらに、自然に重力を含む理論であることが期待されます。
この本では、標準理論を解説した後に、BSMとして、まずはMSSM(最小超対称標準模型)などの超対称性理論、そして、超対称性を必要としないものとして、余剰次元理論(大きな余剰次元理論、ランドール-サラム理論、ゲージ-ヒッグス統一理論)とヒッグス粒子の複合模型(テクニカラー理論、Dmensional Deconstruction、Little Higgs)を解説しています。
百花繚乱のBSMですが、最後の2章においてそれぞれの理論を実験事実からしっかりと検証しており、ヒッグス粒子の質量に関する問題点、異常ヒッグス相互作用の検出などの課題について述べられています。

(超対称性理論)
超対称性理論はヒッグスセクターを拡張して階層性問題を解決する可能性があります。

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丸善出版から発売された林 青司の素粒子の標準模型を超えて (現代理論物理学シリーズ)(JAN:9784621065099)の感想と評価
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