寝ながら学べる構造主義 (文春新書) の感想

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タイトル寝ながら学べる構造主義 (文春新書)
発売日2012-09-20
製作者内田 樹
販売元文藝春秋
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構造主義とはいかなるものか。難解とも云われてきたこのような哲学的思考のあり方にいたるには、先人たちの「地ならし」があったという。ここでは、マルクス、フロイト、ニーチェ、フーコーらの名をあげ、彼らの業績と思想についてわかりやすく解説。“寝ながら学べる”という本著は多くの専門書とは異なり構造主義の入門書として書かれたとあるけれど、平易なことばと適確な理路で大変わかりやすく説明してくれる。

個人的には存在論的な意味において「現実存在」と「本質存在」の狭間でゆれ続けながら実存主義の影響をうけたけれど、本著で紹介されている構造主義といわれる言語学や記号論、文化人類学の人たちの存在が気になっていた。なかでもレヴィ=ストロースの未開社会に学ぶ調査と相対的なまなざしはきわめて魅力的な気がしていた。
著者は構造主義の始祖として、ソシュールの名をあげ構造主義の変遷と経緯を説明する。そして、『一般言語学講義』の理説からダイナミックな異種配合を経て、とうとうたる思想の水脈を形成するにいたったと指摘。

第三章からは、このニューウェーヴの洗礼を受けた1940~1960年代のフランスの戦後世代を「第三世代」として位置づけ、文化人類学のクロード・レヴィ=ストロース、精神分析のジャック・ラカン、記号論のロラン・バルト、社会史のミシェル・フーコーら「構造主義の四銃士」の異名をとる四人の業績と思想史的な意義を吟味することから、構造主義が私たちの思考にもたらした決定的な影響について考える展開となっている。

著者は最後にここに紹介した思想家たちの専門的な研究家でもなく、最新の研究動向も知らないとして落語的解釈の入門書としている。だが、構造主義をこれほど魅力的に解説してくれる書物はない。ぼくはそう思う。どうぞ、ご一読を…

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