EU崩壊 (新潮新書) の感想
参照データ
タイトル | EU崩壊 (新潮新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 木村 正人 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106105449 |
カテゴリ | ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 各国経済事情 » ヨーロッパ |
購入者の感想
筆者は産経新聞ロンドン支局長時代を含め6年間ロンドンに住み、現在は、フリーのジャーナリスト。 あくまでジャーナリストの視点で、経済学者の視点ではない。 従って、統一通貨の下、異なった経済状況にある国が、一つの金融政策(金利)でくくられている矛盾、その帰結としてのギリシアを発端とする、南欧諸国の財政危機の要因については、理論だって説明されているものではない。 その代わり、各国の政党、政治家については比較的細かく書かれている。
ジャーナリストの見る、EUの危機、という積りで読む書。
ジャーナリストの見る、EUの危機、という積りで読む書。
著者は、もと産経新聞ロンドン支局長で、現在は国際ジャーナリストの人です。
本書は、その著者がEU構成国ごとの状況を記述することで、混迷するEUの状況をレポートした本です。
(a) ドイツ、フランス、イギリスという主要3国はそれぞれの思惑・立場があって協調できていないこと、(b) ユーロ危機の震源地であるギリシャの指導者・国民のドイツ等に対する複雑な気持ち、(c) 欧州中央銀行のスタンスの推移、(d) EUはドイツ・北欧を中心とした財政規律がとれている国とそれができていない南欧の国々で2極分化しつつあることなど、現在のEU危機・ユーロ危機の主要部分を記述しています。そしてさらに、ロシアとキプロスやバルト三国との関係、ハンガリー、デンマークなどまで記述が及んでいます。
本書を読むと、通貨を統合している一方で財政を国家主権のもとに置く現在のEU、ユーロの難しさが伝わってきます。EU・ユーロの将来の危うさが理解できて、とても参考になる本です。
ただ、本書は、国家間の通貨・政治に関するレポートであり、(特に私のようなこの分野の知識の乏しい人にとっては)知らない政治家の名前が何人も出てきたり、理解するのが難しい部分もあり、スラスラ読める本ではありません。読むのに根気が必要な本でした。
その面で、もう少していねいな、わかりやすい説明があればもっとよかったかもしれません。
本書は、その著者がEU構成国ごとの状況を記述することで、混迷するEUの状況をレポートした本です。
(a) ドイツ、フランス、イギリスという主要3国はそれぞれの思惑・立場があって協調できていないこと、(b) ユーロ危機の震源地であるギリシャの指導者・国民のドイツ等に対する複雑な気持ち、(c) 欧州中央銀行のスタンスの推移、(d) EUはドイツ・北欧を中心とした財政規律がとれている国とそれができていない南欧の国々で2極分化しつつあることなど、現在のEU危機・ユーロ危機の主要部分を記述しています。そしてさらに、ロシアとキプロスやバルト三国との関係、ハンガリー、デンマークなどまで記述が及んでいます。
本書を読むと、通貨を統合している一方で財政を国家主権のもとに置く現在のEU、ユーロの難しさが伝わってきます。EU・ユーロの将来の危うさが理解できて、とても参考になる本です。
ただ、本書は、国家間の通貨・政治に関するレポートであり、(特に私のようなこの分野の知識の乏しい人にとっては)知らない政治家の名前が何人も出てきたり、理解するのが難しい部分もあり、スラスラ読める本ではありません。読むのに根気が必要な本でした。
その面で、もう少していねいな、わかりやすい説明があればもっとよかったかもしれません。