ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫) の感想
参照データ
タイトル | ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヴァルター ベンヤミン |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480082169 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 全集・選書 » ドイツ文学 |
購入者の感想
ベンヤミンのアンソロジーの第1巻。
ゲーテの親和論、ボドレール、パリ、シュールレアリズム、ブレヒトなどについて論じた珠玉の文章が収められている。
その中でも、複製技術時代の芸術作品が、やはり読み応えがある。
写真、映画に象徴される複製技術の功罪を、歴史の流れ、ファシズムの台頭などと合わせて論じている。
ベンヤミンの問いかけは、今日でもまだ生きている。
私たちは、ベンヤミンがこの文章で提起した問題に、まだ明快な答えを得るほど、成熟してはいないのだ。
ゲーテの親和論、ボドレール、パリ、シュールレアリズム、ブレヒトなどについて論じた珠玉の文章が収められている。
その中でも、複製技術時代の芸術作品が、やはり読み応えがある。
写真、映画に象徴される複製技術の功罪を、歴史の流れ、ファシズムの台頭などと合わせて論じている。
ベンヤミンの問いかけは、今日でもまだ生きている。
私たちは、ベンヤミンがこの文章で提起した問題に、まだ明快な答えを得るほど、成熟してはいないのだ。
やはり、従前のベンヤミン著作集に比べて訳もこなれている。そもそもベンヤミンは難しく、ドイツ人ですら「一旦、別のドイツ語に翻訳しないと読めない」と言われるほどである。その意味ではこの新訳は非常に評価できる。但し、アンソロジーの形になっている点で、選択から落ちている重要な論文があることが残念である。「ドイツ悲劇の根源」の序論「認識批判的序章」は、ベンヤミンの中核をなす思想が記述されており、これはぜひとも入れて欲しかった。いずれしろ、ベンヤミンを読むのであれば、是非手元に欲しい一冊である。0