コットンが好き (文春文庫) の感想

高峰秀子さん。
昨年末にお亡くなりになりましたが、本書を読んだのはその１か月前でした。
戦前・戦中・戦後を通じて、人気のある女優さんだったそうですが、自分は残念ながら若い頃の高峰さんは知りません。
でも、女優を辞めた後に書かれた本書を読んで、高峰さんの心の美しさ、潔さ、人としての品格の高さに感動しました。
美しい女優さんの心の中に、このように強いものがあったとは、現役時代、ファンの方々は気付いていらっしゃったのでしょうか。
当時の事情で、あまりきちんと学校には行かれていなかったようですが、写真で見る知的な美貌の裏には、やはり知性があったのですね。
物を見る目、そしてそれを表現する能力には独自性があり、人から教わったのではなく、自分で身につけたものだと感じました。
高峰さんの物へのこだわりを通じて、賢く、美しく、年齢を重ねていく生き方を知ることが出来るエッセイ集です。