少年記 (中公文庫) の感想

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参照データ

タイトル少年記 (中公文庫)
発売日2011-04-23
製作者外山 滋比古
販売元中央公論新社
JANコード9784122054660
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » た行の著者

購入者の感想

 著者外山さんは、1923年生まれの著名な英文学者です。著者は、人間若いときは、みな同じように若いが、年を取るに連れて、一人一人大きく違ってくる。ところが、自分が年寄りになってみると、子供だってめいめい個性的に幼かった事がわかってくる。偉い人の伝記と違って為になることはないが(そんな事はありませんよ!)、年寄りの子供の話は、同じような年少の人には、なんでもないことでも、面白いのではないか、と考えてこの本を著されています。
 迷子の話、文字通り、行きは良い良い、帰りは怖いですが、誰でもこんな経験一度や二度有るんではないでしょうか?初めて汽車(私の時代も、まだ汽車でした。)に乗って一人で親戚の家へ行った。嬉しくもあり、不安でもあり・・5銭のレントゲンの話、私も記憶があります。もっとも、5銭でなく50円くらいだったと思いますが、どれも同じように見えるので、分解すると、鳥の羽が入っていました。薩摩芋九里よりうまい十三里・・ああ懐かしい・・古里、うさぎ追いし、かの山・・私もうさぎって旨いんだとずうっと思っていました。ターザンごっこ、私も、頭から、滑り台をすべり、唇を5針縫いました。大事だったから肌身離さず持っていて、ホフク前進のときに無くした万年筆。学校で焼き芋をやり、危うく退学に成りかかったが、舎監長が庇ってくれて、難を逃れ、そして、その後出された饅頭と涙・・著者の生き方が実によく活写されています。・・・・・とここまで読んできて、母が死んで継母がいるらしいんですが、その話が出てきません。後書きを読んで、その理由が、著者は、私という言葉を使わず、半ば自分を殺した生き方をしてきたから、あまりにも生身の自分が出てくる事は、書けなかったという事らしいです。

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