呂氏春秋 (講談社学術文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル呂氏春秋 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者町田 三郎
販売元講談社
JANコード9784061596924
カテゴリ哲学・思想 » 東洋思想 » 中国 » 諸子百家・儒教・道教

購入者の感想

「戦国時代末期、若き始皇帝の宰相として秦の百官を統率し、全国から三千の賓客を招集した呂不韋。彼が諸国に対抗し、秦の国力と文化の向上をめざし秀れた上客と編集した『呂氏春秋』は、「天下万物古今の事」を備えたいわば百科全書だった。」

時代は、秦が六国を平定し、中国統一を達成した紀元前240年頃。
戦国四君がそれぞれ抱えた数千と言われる食客を秦にも集め、衆知を結した一つの成果が本書であった。
ここで「食客」とは、自分の才能を主人に提供するため居候をしている者を指す。人の才能を集結させるということが国力の現れであるという発想だが、集められた種々雑多な才能には、鶏鳴狗盗で表現される異様な才能も含まれており、時所を選んで万事に応じるための備えと言える。
このような「食客」を用いて世の万物をまとめた本書は、このままではただの雑多であるため、「時令」という秩序をもって体系付ける工夫が凝らされた。1年を12月に分割し、また四季に整理することで、各時に従うべき節を整理するという発想である。

その内容たるや、戦国時代の人と文化が往来する動乱の中、才能を持った人々が知恵を持ち寄って思想を形成していったという醍醐味があり、当時の秦都、咸陽で道行く賢人に知恵を乞うような現実感がある。
また、他の例を見ない、音楽についての関心の高さがあることも貴重だ。

一人の聖人が記した思想とは対極的に、文字通り諸子百家の衆知を編集したものであることが、大変なる魅力である。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

呂氏春秋 (講談社学術文庫)

アマゾンで購入する
講談社から発売された町田 三郎の呂氏春秋 (講談社学術文庫)(JAN:9784061596924)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.