建築探偵 雨天決行 (朝日文庫) の感想

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参照データ

タイトル建築探偵 雨天決行 (朝日文庫)
発売日販売日未定
製作者藤森 照信
販売元朝日新聞社
JANコード9784022611796
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

 1988ー89年に出た単行本の文庫化。「建築探偵」シリーズの第2作。

 『雨天決行』で取り上げられているのは、中村遊郭、豊橋と函館のハリストス教会、東京駅など。そのほか、幼稚園や刑務所もいくつか取材されている。

 面白かったのは那須の別荘群。那須はいまも御用邸があるところ。軽井沢よりも早く避暑地として開発された場所で、山県有朋、大岩巌、乃木希典などそうそうたるメンバーが別荘を構えた。この別荘地の特徴はイギリスのカントリーハウスを真似たことにある。 イギリスの貴族・上流階級は田舎に屋敷と土地を持ち、春〜秋にかけてはカントリーハウスを舞台に華やかな社交を繰り広げたことで知られる。山県らも、まさにそれを再現しようとしたのだ。エステートを経営し、パーティを開き、狩猟に興じる。たとえば青木子爵邸の廊下には鹿の角がずらりと並んでいる。彼らは鹿狩りを行っていたのである。明治20〜30年代のことという。 明治維新とともに洋風の狩猟が日本に持ち込まれる。猟銃と猟犬を用い、娯楽として行われるタイプのものだ。 はじめは横浜や神戸の居留地のイギリス人が行っていたものが、次第に日本人にも広がっていく。

 そのあたりの、異文化の摂取について知ることが出来た。

 美しいし、面白い本。おすすめ。

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